貰った名前 ページ3
…(you)
★
よろしくお願いしますってお辞儀をしたら
端にいたお兄さんが、私のカバンを取って
よろしく。って少し低い声で言って奥へ歩いていった。
ばたんって閉まった廊下の奥のドアを
突っ立って見つめてたら、
マフラーがぐいっと後ろに引っ張られた。
「けほっ。」
DH「ねー、いくつ？」
首への衝撃に驚いて少し滲んだ視界に、
ふわふわの髪の毛を後ろでちょこんと結った
目がきらきらしたお兄さんが映る。
「えっと、21歳です。」
DH「うわぁ。俺よりも3こも妹なんだ！」
そう言って目をまんまるにするから
思わず、へへって笑ってしまった。
そしたらすっごい大きな声で
ああっ！！うわぁ！って隣にいたお兄さんに
しがみついて叫ぶからびっくり。
「えっ？えっ？」
おーらどんへ！いじめんな！！って奥から
声がすると、大きな声のお兄さんは
いじめてない！だって！！って叫びながら
ばたばたと走っていった。
EH「じゃ、あっち行くぞ。」
ぼーっとしてた私の肩を叩いて
前を歩く大きな声のお兄さんと仲良しっぽいお兄さん。
「はいっ。」
宿舎の中は男の人たちだけで住んでるだけあって
なかなかとっちらかっていた。
椅子に積まれたTシャツに、
開けたままのジュースのペットボトルが3本。
あと、脱ぎっぱなしの靴下たち。
なんだぁ。
お兄さんたちもほんとは普通の男の人なんだ…。
なんか、安心したー。
2階の真っ白な部屋に案内されて、
スプリングベッドに腰掛けると
隣にカバンを持ってくれたお兄さんが座って
たくさんの事を教えてくれた。
でも、
全員の名前も歳も部屋の場所も一気に教えられて
頭がパンクしそう。
LT「よし。じゃあ、Aの芸名決めだな。次は。」
HC「それなら、俺がもう決めた。」
ばーん！って扉があいて、
ずかずかと部屋に入ってきたヒチョルさんが
どしーんって私の隣に座る。
そしてサインペンでさっきの紙の裏に
大きく名前を書いた。
HC「お前の名前は、アンジュ。
フランス語で、天使って意味だ。」
「アンジュ…。」
HC「そうだ。分かったな？」
「はい！」
2人のお兄さんが出ていってから、
ANJE！と殴り書きされた紙にそっとキスして、
super juniorがこれからも愛されますように。
ってひとり静かに呟いた。
…
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作者名：てるちゃん | 作成日時：2017年8月29日 1時
