マイナス100cmの恋 【青】

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「うん、好きなひと」






さらっと答えた安田さんは、箱を開け、中のマカロンを見て「おいしそー！」と目を輝かせた。






凍ったように固まったわたしに気づくことなく、安田さんは「あおいろ！ おれの！」と、青色のマカロンを手に取ってにこっと笑う。
多くは語らない。可愛い。






男女気にせずにハグをするみたいだし、この好きにも特別な意味はない、ということは分かっているけれど。







男性から好きなんて言われたことがほとんどないわたしは、戸惑ってしまった。






安田さんからしたら、ごく普通のことなんだ、きっと。







「おれ、桜木さんのこと好きやで」







………………ごく普通のことなんだよね。







わたしみたいに男性経験のない女にはうまい切り返しが思い浮かばず、口元に笑みを浮かべた。






恐るべし、安田章大………………。









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