マイナス100cmの恋【青】 (ページ29)

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「なんしたらええん………………」

デパートをぐるぐると回り、はあ、とため息がこぼれた。

ため息には理由がある。

今日、仕事が終わり、会社を出てから少しした頃。

【おなかすいたあ…………桜木さん、今日もごはん食べにいってもええ？】

というメッセージと、ぱたりと倒れたねこちゃんのスタンプが送られてきた。

言わずもがな、相手は安田さんだ。

了承の意を伝えると、足早にデパートへ向かった。

今日は朝からハンバーグを作ろうと思っていたから買い出しは滞りなく進んだ。けれど。

夕飯とは別に、次会うときがあれば安田さんになにかお礼をしないといけないと思っていたのだ。

迷惑をかけたこともあるけれど、本当に肩の荷がおりて救われたから。

デパートをぐるぐると一周まわって、結局、前に一度誰かにもらってものすごくおいしくて感激したマカロンを買った。このお店は特にマカロンがおいしい。

ショーケースに並んだおいしそうなスイーツのうちからマカロンを選び、包装してもらう。

かわいいものは見てるだけでも心が満たされる。

るんるんとした気分と、自然と軽やかになる足取りで、家路を急いだ。

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