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勘違い ページ9







帰り道もほとんど会話はなく、その翌日もそうで。
あれだけずっと守る守るとそばを離れなかったのに、今彼女と一緒にいるのは大学と劇団の間の行き帰りだけだ。
それに急に彼女の態度がよそよそしくなった。




(おかしい)




なにかあったのか。
それとも俺がなにかしてしまったのか。

完全に理由は後者にある気がするけど、でも全く思い当たる節がない。





(……ちょっと、嬉しかったのにな)




巫女とはいえ女の子に守ってもらうなんて、男としては情けない話なんだけど、これまでそんなに俺に構う人なんていなかったから。


なんで急にやめちゃうんだよ。




「あ、皆木くん。えっと……帰りましょうか」

「安平さん」

「はい?」

「ちょっと寄り道、付き合って」

「……はい?」




きょとんとした彼女の手を引いて、ふたりで話せる場所を探して。

最初にふたりで話したときのベンチに似たそれを見つけて腰を下ろした。




「……あの、皆木くん?」

「あのさ、俺なんかしちゃった?」

「え?そんな……皆木くんにはご迷惑をおかけするばかりで、私がなにかされるなんて」

「最近なんか素っ気ないし。……俺、安平さんに避けられてる気がして」

「………それは……」

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作者名:がまずみ | 作成日時:2017年4月29日 23時

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