【Ａ3】きみをまもる (ページ6)

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寮に入って開けてみるとそれは首飾りの形をしたお守りだった。
普通にアクセサリーみたいなそんな感じだ。

(俺のために作ってくれたのかな)

一生懸命作っている彼女の姿が目に浮かんで頬が緩んだ。

「……なにかいいことでもあったのか？」

「わっ！臣さん、帰ってたんすね。おかえりなさい」

「ああ。綴もおかえり」

(……そういえば)

同じ大学にいる臣さんは彼女のことを知っているんだろうか。
噂になってるからなんとなくは聞いたことあるかもしれないけど、そうじゃなくて彼女自身のこと。

「あの、大学にいる巫女さんのことなにか知ってます？」

「あー1度だけ見たことあるよ。それがどうかしたのか？」

「えっいや、何もないっすけど……やっぱり他学年の間でも噂なんすね」

「まあ、巫女だしな」

(あの格好がなぁ……)

彼女手作りのあの巫女装束を悪く言うのはなんだか申し訳ないけど、やっぱりあの見た目が印象的過ぎて変な噂とか出来るんだろうなあ……

どうにか彼女のことをわかってもらえる方法はないかと考えていると

「……何もないって言う割に嬉しそうな顔してたけどな」

という臣さんの楽しそうな声がキッチンの方へ遠ざかって言った。

(……恥ずかし)

見られてた。
そりゃ嬉しかったけど、そんなにわかりやすくにやけていたりしたんだろうか。
それだったら相当恥ずかしい。

このままここにいると恥ずかしがっている様子まで見られてしまう気がして、急いで自分の部屋へ逃げ込んだ。

……もちろんお守りをもって。