初めまして、命の恩人です。2【東卍】

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「柊A、俺と付き合え」

『………誰？』


ある日の放課後のこと。

一人の男子生徒に呼び出され、指定された空き教室へ向かうと複数の男子に囲まれた。

カツアゲかと思ったが、どうやら告白だったらしい。


『…ごめんなさい。貴方のこと知らないし、人数使って脅すような真似する人は無理です』

「は？生意気な口きいてんじゃねえよ」

取り巻きの一人に胸ぐらを掴まれる。


…ふっふ、以前の私とはもう違うのだ。

何故なら、複数の人間を一度に伸す方法をイザナに教えてもらったから！

実践してみたかったから丁度良い機会だ。

拳を握って殴り返そうとした時、


「お前ら女子に何してんだ！！！」


花垣武道が来た。




・


『…大丈夫？』

「不甲斐ないっす…」

東卍の一員であったから喧嘩はそこそこ得意なのかと思ったが、そんなことなかったようだ。

現在は怪我だらけの花垣くんを手当て中。


『でも、かっこよかったよ。負けるってわかってて助けに来てくれたんでしょ？』

「！…ヒナと同じこと言うんすね」

照れ臭そうに笑う花垣くん。

彼の周りに人が集まる理由がわかった気がする。



『終わり。…怪我させちゃって、ごめんね』

「Aさんが謝ることじゃないっすよ！俺が勝手に飛び込んだだけだし…」

『でも怪我させたのは事実。ごめん。それと、助けに来てくれてありがとう』

「…うん、俺の方こそ手当てしてくれてありがとう」


そのあとしばらく談笑していると、

「やべえ！ヒナと帰る約束してたんだ…ッ！！」

と言って顔を真っ青にする花垣くん。

彼女、そんなに怖いのだろうか。

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