初めまして、命の恩人です。【東卍】

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『…ていうか、羽宮くん。この2日間何も口にしてないでしょ。成長期なんだから何か食べなきゃ』

「…それはアンタもだろ」

『はは、確かに。こんな時間だけど何か作るか』


冷凍のご飯をレンジで温めて、簡単な惣菜を作る。

できる女なら好きな食べ物くらい聞くんだろうけど、そんな気力残ってません。すまんな。


『とりあえず食べよ！お腹空いたでしょ』

「…いただきます」

食事中はもちろん無言。
不思議と気まずいとは思わなかった。



「…俺ね、友達の兄貴殺しちゃって、2年間年少にいたんだ」

それから羽宮くんは、ぽつりぽつりと自分の生い立ちを話し始めた。

それは、中学生が背負うには重すぎる過去で。


『そっか……。自分を正当化する為に、他人を巻き込むのは良くないね。ちゃんと向き合わないと』

「…うん」

『だからって、死んで償おうなんて思わないでね？
場地くんだって君を助けたくて無茶したんだから』

「………うん」

本当にわかってるのかなこの子。


『…君が良ければさ、此処にいなよ。家には帰りたくないんでしょ？ちょうど助手が欲しいと思ってたんだよ』

「………は、？」

基本的に人嫌いな私がこんな事を言う日が来るなんて…。自分でも吃驚してる。

でも、理由はわかる気がする。


羽宮くん。君はどこか私と似てるんだ。

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