初めまして、命の恩人です。【東卍】

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「オネーさん誰？一虎の彼女？」

『え…いや、違います』

"彼女"と書いて"嫁"と読むのね…。知らなかった。


「マイキー。こいつは俺らのダチのAだ。

んで、こいつが総長のマイキー」

代わりに場地くんが紹介してくれる。

何考えてるか分からない目してるから正直助かった。

「へえ〜、Aって言うんだ。よろしく」

『…よろしくお願いします』

宜しくしたくないのが本音だが、そんなこと絶対に言えない。言った瞬間に首が飛ぶのがわかる。


「…A、向こうにおみくじ引きに行こ」

『え、うん。じゃあ、失礼します』

ぺこりとマイキー君に頭を下げ、手を引かれるまま一虎に着いて行く。


『…良かったの？折角仲直りしたんだから、皆んなと一緒に居たかったでしょうに』

「だってA、東卍と関わりたくないでしょ？」

一虎が首を傾げ、ピアスがリン…と音を立てる。

『……だからって』

"私に気を遣わなくて良いんだよ"と言おうとしたが、一虎に遮られてしまった。

「東卍も大事だけど、Aのことも同じくらい大事にしてーの。俺の、恩人だから」


『一虎には敵わないなあ。

……いつも、ありがとね。』

「はは、こちらこそ」


手は悴むほど冷えるのに、心は温かかった。

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