初めまして、命の恩人です。【東卍】

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「…まあ、俺たち不良ですもんね」

「なんだそんなことか。たしかに不良だけど、別に毎日喧嘩してるわけじゃねえよ」

そういう意味で言ったわけじゃないけど…。
まあいっか。


「じゃあ！東卍の一員じゃなくて、一人の人間として…ならいいですか？」

……なんで、そこまで私に拘るのだろうか。

"駄目ですか…？"と捨てられた仔犬のような目で聞いてくる松野千冬…。

『…わかったよ。じゃ、今日からオトモダチね』


一度可愛いと思ってしまうと、もう可愛い以外の何者でもない…。
　
現に、嬉しそうな顔をする彼に耳と尻尾が見える。


「よろしくな、A」

「よろしくお願いしますAさん！
あと、俺のことは千冬って呼んで下さい！」

『うん、二人ともよろしくね』



・


「なに、満更でもなさそうじゃん。
あいつらと友達になれて嬉しかった？」

一虎が首を傾げてそう尋ねる。


『…うん、初めて友達できた』

「………今まで友達いなかったの？一人も…？」

"俺でもいたのに？"と心配してくれる。


『友達なんて上辺の関係だと思ってたから。

…でも、悪くないかもね』

過去に戻って一番変化したのは、私の価値観かもしれない。

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