その妹 ページ10
ミナトside
目を覚ますと、見た事ない場所で眠っていた。
ここはどこだろう。
?「目を覚ましたか」
誰かの声が聞こえた。声をした方を向くと、そこには、オールバックの白い男の人が居た。
ミナト「…ここ、どこ？」
？「……図書館だ」
ミナト「…へぇ、普通の図書館にこんな医務室みたいなとこあるんだ」
？「…ここは、普通ではない。
君、この部屋に来る前の記憶はあるか？」
ミナト「えっと…」
確か、館長の様子がおかしくて、心配でアカとアオと一緒につけて、そしたら化け物が出てきて、館長と逃げて、女の人が…
ミナト「…！アカは、アカは大丈夫なの！！？」
？「落ち着け」
僕は、その人に掴みかかった。
？「…まず、あの騒ぎは１週間前の話だ」
ミナト「……1週間？！僕１週間も寝てたの？！？！」
？「ああ、で、君、その様子だと、侵蝕者に立ち向かったことも覚えてなさそうだな」
ミナト「……侵蝕者？」
？「……やっぱりな」
その人は、ため息をつきながら話を続けた。
ミナト「ねぇおじさん、侵蝕者ってなんなの？」
？「……簡単に言うと、本に潜む敵だ。」
ミナト「ふぅん……」
そんな話をしていると、館長達が入ってきた。
館長「起きたのか」
ミナト「館長！それにアカとアオまで…」
アカ「ごめんな、俺のせいで……」
ミナト「ううん、アカのせいじゃないよ」
アオ「貴方は、もう大丈夫なんですか？」
ミナト「うん！元気だよ！」
館長「…なぁ、ミナト、少しいいか？」
ミナト「？うん」
なんだろうと思っていると、館長は僕の頬を叩いた。
館長「……お前は馬鹿なのか！」
ミナト「……っ！」
館長「何故あんな無茶なことをした！」
ミナト「…覚えてないよ、僕だって！気付いたら、身体が勝手に動いてたんだもん。」
館長「……はぁ、まあ、無事でよかった。だがもう、無理するんじゃない。お前らは、まだ子供なんだ。ミナトはまだ、5つなんだ。これからもっと大きくなる。だから今は、大人に任せてくれ。」
そう言い、館長は僕を抱き締めた。
ミナト「……ごめんなさい」
続く
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作者名：名無しの権兵衛 x他1人 | 作成日時：2023年6月3日 12時
