イジワルさん feat.SILKROAD ページ9
『ただいま〜』
「おかえり〜」
いつもなら玄関まで迎えにいくけど、今日は我慢。
片手に握られた”ソレ”が、理由である。
ぺたぺたと足音が近ずいてきて、ドアがゆっくりと開かれた。
俺は彼女に向けて、”ソレ”を投げた。
『え、なに、っきゃああ』
「あははははっ！」
ばらばらと床に落ちるゴキブリのおもちゃ。イタズラ大成功だ。
『もう、シルク！』
「ひ〜、面白かった」
ナイスリアクション、と言いながら彼女の肩に大きいクモの人形を乗せるとビクリとして後ずさった。
『し、心臓に悪い…っ』
「くくく、ほらよ」
完全に腰の抜けてしまった彼女に手を差し伸べると、鋭い目線で睨まれた。
「もうしないから、安心して」
『その言葉が怪しいんだけど』
そう言いつつも、俺の手を掴む彼女は世界一可愛い。
機嫌を取る為に飲み物を取りに行こうとすると、服を掴まれた。
『シ、シルク…』
「ん、なに？」
『え、っと、あの』
「ん？ちゃんと口で言わないとわかんないよ？」
『……意地悪』
もう一度言おう。超可愛い。だから意地悪したくなる。
『おかえりのキス、して』
「…よくできました」
林檎のように頬を赤く染めた彼女に、触れるだけの口付けをした。
「…ん、飲み物持ってくるから」
『何もしないでね』
「わかってるって」
まぁ、嘘なんだけどね。
冷蔵庫の中でペットボトルに寄り添う、小さな袋。
コップに飲み物を注ぎ、袋の中身を全て入れる。
スプーンを1周しただけで溶ける、欲の塊。
俺のコップにも同じものを入れて、溶かす。
「はい、どうぞ」
『あり、がと』
若干警戒しつつも、彼女は直ぐにそれを喉へと通した。勿論俺も。
『はーっ、落ち着いた』
「今までで1番のリアクションだったよ」
『褒められても嬉しくない』
そろそろ、だなと思い、彼女の隣にぴったり座った。
『…っ、シルク…近い、』
「いいじゃん、2人きりだから」
床にそのまま倒すと、涙が滲んでいるのが見えた。
『なに、入れたの…っ』
「ん〜？ちょっとした”お薬”」
『嘘つき、ばか、意地悪っ！』
「はいはい、文句は後でたくさん聞くからさぁ」
「今は俺だけのこと、考えてて」
イタズラって形なのも、俺っぽくていいでしょ？
2/25お魚汰郎さんリクエスト
my princess feat.SILKROAD→←ケモノとケダモノ feat.MOTOKI
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よる - .......た、ぶん。 (2019年8月17日 20時) (
レス) id: 3bec8c6e5b (このIDを非表示/違反報告)
よる - ひなさん» お酒ですよ。 (2019年8月17日 20時) (レス) id: 3bec8c6e5b (このIDを非表示/違反報告)
ひな - ドクペって何ですか？ (2018年10月14日 10時) (レス) id: 156267eea4 (このIDを非表示/違反報告)
みーやー - 初めて読むんですが、おもしろくてかわいい小説ですね。素晴らしいです (2018年9月27日 19時) (レス) id: eb57ffa2b0 (このIDを非表示/違反報告)
すみコ - 初めて読みます！そして、面白いので、続編期待してます！ (2018年9月8日 17時) (レス) id: 6b18a24f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2017年2月15日 20時
