【Fischer's】君に溺れる 【短編集】

いい夢を feat.MASAI&DAMA&MOTOKI ページ37

「Aさ〜ん？」

ゆさゆさとAの体を揺らすモトキ。お昼から夜になるまでぐっすりと寝ていたから、そろそろ起こさないと彼女の体が心配だ。

「おい、A、起きろ」
『んー、』

彼女がゆっくりと目を開けた。伸びた袖口で眠そうな目元を擦る。

『おはよ、う』
「夜だバカ」
『みず、飲みたい』
「…持ってくるよ」

まるで大きな子供のようだ。口は悪いけどダーマは彼女に弱い。特に寝起き。

「ほら」
『ありがと』

両手でコップを掴む姿は、子供だな。なんだかいつもより可愛くみえて、Aの頭を撫でた。

『どうしたの、マサイ』
「…なんとなく」

そのままするりと頬を撫でると、ぱちりと目が合った。色々としてしまいそうなのですぐに逸らしたが。

『わ、モトキ』
「あ〜いい匂い〜」

モトキはAを後ろから抱きしめた。首に顔を埋めると、彼女は擽ったそうに身をよじらせた。

『くすぐったいよ、』
「…このまま一緒にねよ？」
『ん〜？じゃあねえ、』

ぐっと腕を引かれた。敷布団に体が沈む。

『4人で、ね？』

これは、幸せな朝が迎えられそうだ。


”お姫様に、いい夢を”


4/19逢沢さんリクエスト

サディストな、 feat.NDAHO→←赤ずきんに従順であれ feat.SILKROAD&NDAHO&MASAI

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す