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せんせ、 feat.SILKROAD ページ16

窓から差す夕日と、揺れるカーテン。
やっぱり白衣だけじゃ寒くて、窓を閉める。

しかし突然開かれるドアに、柄もなく驚いてしまった。

『わ、っ』
「せーんせ!やっほ!」
『シルクくん、』

太陽のような明るい笑顔と、爽やかな声。
学校一モテるであろうシルクロードくんは、何故か毎日のように保健室へと遊びに来るのだ。

『また来て平気なの?まだ部活中でしょ?』
「あー、これ、」

彼は椅子に座り、右手を見せてきた。

『突き指ね、まってて』
「はーい」

包帯や湿布を出していると、彼は足をぷらぷらとしていた。ちょっとかわいい。

『はい。包帯巻くよ』
「ねぇ、せんせ」

彼にじっと目を見つめられる。あまりにも真剣なその瞳に心を動かされそうで、包帯を巻く事に集中した。

『なに?』
「せんせは付き合ってる人とか…いる?」
『さぁ、どうでしょう』
「えー教えてよ」
『だめ。そういうシルクくんは?よく手紙とか貰ってるじゃない』

はい、終わりと突き放すように作業を終わらせながら、質問を投げつけた。

「せんせ、俺ね」
『シ、ルクくん…?』

じりじりと距離を縮められて思わず後ずさったが、すぐに壁に背中が当たってしまった。

「俺、せんせが好き。Aが、好き」
『っ、冗談はやめて…』
「冗談じゃないよ。本気」

白衣越しに彼の手が背中を撫でた。電流が走ったように体が反応をして、息が乱れた。

「せんせ、可愛い…」
『あ、っん、シルクくん、っ』

彼は壁に手をつき、私の首筋に真っ赤な痕を残した。

「俺の好きな人だから、誰にも渡さない」
『ダメよ、教師と生徒だから、っ』
「…卒業」
『え、?』
「卒業すれば、俺を男として見てくれる?」

また、心を掴むような瞳。私は教師失格だ。
生徒に、恋をするなんて。

『私を好きにさせた、責任取って』
「勿論。何年もかけてAを愛すよ」

ゆっくりと唇を合わせて、一言。

「大好き。愛してるよ、せんせ」

背中を向けて、保健室から彼が出ていった瞬間、膝から崩れ落ちた。

『卒業まで、待てない気がする…』

「卒業まで、待てねぇな」

禁断の恋、始まりました

3/6お魚汰郎さんリクエスト

花のような君 feat.SILKROAD→←BATH TIME feat.MOTOKI



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よる - .......た、ぶん。 (2019年8月17日 20時) (レス) id: 3bec8c6e5b (このIDを非表示/違反報告)
よる - ひなさん» お酒ですよ。 (2019年8月17日 20時) (レス) id: 3bec8c6e5b (このIDを非表示/違反報告)
ひな - ドクペって何ですか? (2018年10月14日 10時) (レス) id: 156267eea4 (このIDを非表示/違反報告)
みーやー - 初めて読むんですが、おもしろくてかわいい小説ですね。素晴らしいです (2018年9月27日 19時) (レス) id: eb57ffa2b0 (このIDを非表示/違反報告)
すみコ - 初めて読みます!そして、面白いので、続編期待してます! (2018年9月8日 17時) (レス) id: 6b18a24f6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年2月15日 20時

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