13.突然 ページ13
おついちside
Aちゃんらしくない独特な声が部屋に響く。威圧感があるからなのかはっと吐く息が少し重くなったように感じた。
「兄者はっ」
弟者が駆け寄ろうとするとAちゃんはシュルっとツタを動かしソファーのところに兄者を置いた。
『ごめんね。思った以上に力が必要だったみたい』
低く地を這うような声は少し寂しそうに言った。ゆらゆらとツタが揺れる。
『ちょっと私も座ろうかな』
Aちゃんが下から上に手を動かすと様々な植物が椅子の形になりそこに吸い込まれるようにAちゃんは座った。
「大丈夫?」
『久しぶりすぎて身体がついていけてないみたい、魔力が無駄に流れて言っている感じがするよ。』
確かに。俺はどちらかと言うと力を感じやすい方なのか怪我をしたときとか、不安定になっているときに気づきやすい。今のAちゃんは力が暴走しているのか物凄い量がとてつもない早さで流されているようだ。
「Aこれ使ってみて?」
弟者くんが差し出す
『これは…魔力調整のやつか』
「そう。俺は全体の量っていうより一発ごとの力が大きいからそれで身体が崩れないようにもってる」
『ありがとう』
「んっ……」
「兄者!!」 『ごめんね、兄者さん』
「A…?」
『うん。少し力を食いすぎたみたい』
「かっこいいな!!」
『そう?ありがとう。』
そんな和やかな雰囲気が流れたとき。
ゾワッと背中に寒気がした。
『皆私の後ろに隠れるんだ。』
外の木々が変にうるさいように聞こえた。
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小狐(プロフ) - 更新遅れて申し訳ないです…。 (2018年3月23日 10時) (レス) id: 81873e425d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小狐 | 作成日時:2017年10月5日 1時