14.餌付けと言う名の ページ15
・降谷視点
「やはり彼女はこちらの方がいいだろう。承認保護プログラムを受けるべきだ」
「ふざけるなよFBI。彼女は日本国民だ。だれがアメリカにもFBIにも渡すものか」
連日のFBIとの会議は今日も話は尽きそうにない。
……内容は元組織幹部、ミモザこと立花Aの今後の処遇と対応についてだ。
肉弾戦や情報戦も得意とする組織仕込みの優秀な人間である彼女は、手離すにも惜しいと公安とFBI両者同様の意見の一致だったが、問題はその後。
どちらが彼女を手に入れるかという話し合いは公安とFBIで相当揉めている。
「主要幹部は捕らえ、残党は叩いてはいると言っても、まだ世界中には組織の人間は散らばっているんだぞ。
彼女が狙われ、また組織に戻されるようなことがあってからでは遅い。ならばこちらで承認保護プログラムを受けるべきだとは思うがな」
「それはこちらも同じだ。そちらで承認保護プログラムを受けさせるなら準備も手間もかかる。日本の国民である彼女がわざわざそちらで保護を受ける理由はない。
彼女はこちらで、丁重に、保護する」
丁重に、の部分を強調しFBIを牽制する。
毎度毎度こんな事を言い合って、言い争いになる前に周りが止めるの繰り返しだった。
連日言い合ってるものだから互いにため息をつく。
「……埒があかないな」
「…ですね。ハァ、仕方ない。休憩にしましょう」
一度会議はやめ、小休憩に入ることになった。
適度に糖分を取らねば頭が働くなるというのを実感したのは、公安に入ってからだ。
頭も身体も使うことが前より増えたので、糖分の重要さは身に染みている。
コンビニで以前、適当に買って来たコンビニスイーツを手にしたところで、ふと彼女の姿を思い出す。
あの日以来、彼女にもこういう糖分を渡したりするのだ。
(……餌付けしてる気分だ)
手に取ったシュークリームを眺めながら、ふとそんな事を思う。
渡すたびに怪訝な顔はするのだが、素直に食べてはくれている。……自分でも思うんだが、絆されている。
多分、今頃は公安内でうろついている時間だろう。
食べるだろうかと思いながら彼女を探すために俺は会議室を出た。
「フルヤは随分と彼女の事気にしてるようね、シュウ」
「……そうだな。」
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Waaa(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2020年9月22日 15時) (レス) id: 0c5dddad0a (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ♪(プロフ) - 恋愛落ちでお願いします!更新楽しみにしています! (2018年5月2日 7時) (レス) id: 12d5eb2c7d (このIDを非表示/違反報告)
青神みな(プロフ) - 恋愛落ちでお願いします! (2018年4月16日 22時) (レス) id: 808dd926ba (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - ぜひ恋愛落ちで…お願いします!!!!! (2018年3月15日 2時) (レス) id: 6d3d870dfd (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 恋愛落ちがいいです!降谷さん大好き///// (2018年3月14日 21時) (レス) id: d9d137c800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2018年2月16日 19時