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1.それは終わりの始まりだった ページ2

・降谷視点

組織壊滅作戦。

組織の全貌が明かされ、とうとう公安とFBIは合同で組織壊滅に乗り出した。
全貌を明かす事に大きく貢献した1人の少年により踏み出したこの大きな作戦は、徐々に組織とその幹部達を次々追い詰めていく。

捕らえられた構成員や、幹部達は待機中の部下や他の部下達に任せ、どんどん中枢へと近づく。
近づいては捕らえ、道中散々、死ぬ程厄介な目に遭いながらも、作戦はあと一歩のところまで来たのだ。

ここに来るまで散々無茶をしたコナンくんは、怪我を負って気絶してしまい、赤井が作戦本部へと一度連れて行くために離脱した。
小さな子供にしては、本当に良くここまで来たものだと思う。…本当に、あの子は凄い子だ。

遠くで爆発音や銃声が聞こえる。

ああもう少し、もう少しで、終わるのだ。

主要幹部はほぼ捕らえ、後は俺が探しているあと1人だけ。

中枢へやってくれば、1人だけの気配を感じて、ゆっくりと近付く。
中枢で1人、まるで組織の終わりを眺めるように立っていた彼女は、俺が近付いた事に気付いたのか、手元のキーボードを弄りだす。大きなディスプレイに映し出された『Completed!』という文字を確認したあと、記憶媒体を俺に投げた。

「それに組織のデータ、全部入ってる。後は私で終わりでしょ?」

聡い彼女は抵抗も何もせずに何かを悟っているようだった。

彼女と向き合いながら、右手に持つ銃がカチャリと音が鳴る。
この向けるべき相手は、勿論彼女だが、俺は向ける気は毛頭なかった。
以前の俺だったら、多分向けていたのだろう。けれど、この幼い子供の墓場を此処なんかにはしてやりたくなかったのだ。

年端もいかない、まだ幼いはずの彼女に、終わりを感じているであろう、彼女に、俺は殆ど無意識で、手を差し伸べる。


死ぬにも終わるにも、惜しい。


そう思う理由が、俺には確かにあったのだから。





俺の友を弔って泣いてくれた彼女を知ってしまっては、もう銃口を向けるなんて出来なかったのだ。

2.想起→←設定(必読)



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Waaa(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2020年9月22日 15時) (レス) id: 0c5dddad0a (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ♪(プロフ) - 恋愛落ちでお願いします!更新楽しみにしています! (2018年5月2日 7時) (レス) id: 12d5eb2c7d (このIDを非表示/違反報告)
青神みな(プロフ) - 恋愛落ちでお願いします! (2018年4月16日 22時) (レス) id: 808dd926ba (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - ぜひ恋愛落ちで…お願いします!!!!! (2018年3月15日 2時) (レス) id: 6d3d870dfd (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 恋愛落ちがいいです!降谷さん大好き///// (2018年3月14日 21時) (レス) id: d9d137c800 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年2月16日 19時

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