101話 ページ23
虫の知らせ、とか嫌な予感とでもいうのだったか。
何年も現場仕事をしていると、不思議とそういう何かが起こる前兆というか、そういうものを敏感に感じ取れることが多くなった。
肌にざわりとした嫌なものを感じ取って、ぶわりと鳥肌が立つ。
「………」
(寒気、というのとも何か違うな。気味が悪いというか、悪意というのか、そういうものが)
秀一さんは私以上にそういうものに鋭かった。
流石はFBIきっての切れ者と言われるだけあるし、私はそんな秀一さんの後ろをついて行くだけでも精一杯だったが、少しはわかるようになっただけでも、近付けてはいるのだろうか。
「降谷、」
「ああ、わかってる」
既に降谷も降谷で動いていたようだ。
風見に連絡を入れているようで、私たちも花菱氏のところへと向かうべく足を進める。
このパーティーの最中、花菱氏が壇上に上がって演説をする時間があった。
1人壇上に登るため、無防備なのはその時。しかし中止を進言しようと歩みを進めていた時だ。
(この匂い…)
つん、と一瞬香った匂いは、私達には馴染みのあるもの。
火薬、銃火器の類の、独特の匂い。
今しがた通り過ぎた背の高い男から一瞬香ってきた。
「A！？」
逆走して、その男の後を追う。
降谷が私の名前を呼んでいたが、最早それどころではなかった。ドレスで隠していた脚の銃ホルダーに手をかけた瞬間、私に気付いたらしいその男は、嗤ったのだ。
「待ッ…」
その男が手に持っていたものを見た瞬間、一気に血の気が引く。
奪い取ろうと踏み出した瞬間、何のためらいもなくその男はカチリと『それ』を押した。
直後、劈くような爆発音が響き渡る。
いや。今のはこの会場内のものではない。明らかに音からして外からのもの。
まさか、と思って緑川に通信を入れる。
「緑川！12時方向から爆発！外の様子は！？」
『今確認した！爆発の規模は割と広範囲だ！中の通路から外の入り口まで外から見た限りじゃ倒壊してる、そしてそこの外の出入り口で待機していた部下が巻き込まれて重傷！』
「…！！」
『そこから外に出るには非常用通路も合わせて後7つ！A、お前は花菱氏と客の安全を確保して、』
緑川との通信に気を取られている隙に、男は上へ通じる階段方面へと走っていった。
まずい。緑川が何か言っているがそれどころじゃない。後は降谷が何とかしてくれるだろう。
「悪い緑川、後でまた連絡する！」
『え、おい、A！？』
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るか(プロフ) - 続編と番外編が気になりすぎてて夜も寝れないくらい気になってます！！パスワードを教えていただきたいのですが可能でしょうか、？ (5月7日 4時) (
レス) id: 50222dda5e (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 続編と番外編が読みたいのですが、パスワードって教えていただけないのでしょうか？ (2022年4月22日 15時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
あいる - 初めまして!!こんな神作初めて出会いました。ほんとにほんとに素敵です。お気に入り作者にしてしまいました。パスワードのヒントと作品にてオススメという形で載せたいのですがダメでしょうか？？ (2020年11月14日 23時) (レス) id: 23cef4f251 (このIDを非表示/違反報告)
眠猫 - 番外編のパスワード載ってないので教えてくれないでしょうか？作者作品一覧に載ってるのは違う番外編のパスワードのようなので……… (2019年1月28日 18時) (レス) id: b6571f87b9 (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - 作者の作品一覧の所にパスワードというか、ヒントが載ってますよ (2018年4月22日 19時) (レス) id: 7b5ab892e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥
| 作成日時：2017年12月16日 21時
