98話 ページ20
・降谷視点
何というか予想通りというか、案の定、Aは会場に来て早々、注目の的だった。……本人はおそらく気づいてはいないが。
元々整っている顔立ちに、シンプルながらも背中が大きく開いた黒のドレス。色気とかそういうものが醸し出されすぎてて、男共の視線が釘付けだった。
こいつは自信なさげにしていたが、この通りその心配は杞憂だったわけだが、それにしてもAは本当に自分を過小評価しすぎてるというか、変なところで自信がないというか。
仕事では自信があるが、ずっと女らしさというものを意識してなかったせいなのか、あまり着飾ることは得意としていないのは何となくわかってはいたが。
(……それにしても、いやらしい目をしている古狸共ばかりだ。)
あれは多分テレビでよく見かける中年の政治家、そして小説家の奴だろうか。
ニヤニヤとAをいやらしい目つきで睨め付ける様に見ていたのを気付いて、思わずAの肩を引き寄せた。
睨み付け、ビクリと萎縮し、そそくさと何処かへと行ったのを確認すると、不思議そうに俺を見上げるAと視線がかち合う。
適当に誤魔化して、Aに俺のスーツジャケットを羽織らせた。
やはり男が多いここでは、そのドレスは視線を集める。
個人的に俺が嫌だったのもあって、無理矢理着せたが、Aは嫌がる事もなく礼を言ってくれた。
(周りに注意しつつも、こいつの側からあまり離れない様にしないとな)
悪い虫にいつ誑かせられるか分からないし。
その虫に、ちゃっかり自分は除外してることに、内心苦笑を漏らす。
随分と汚い男になったことは自覚してる。キスまでしたくせに、いや、したからこそ何処ぞの男なんかに触らせたくもなければ、渡したくもなくなった。
ふと視線を上げたところで、防犯カメラが目に入る。
………どうせ、この一連のやりとりは、あいつらのことだからカメラで確認済みなのだろう。きっと、カメラの向こうで笑っているに違いない。
戻ったらとりあえずシメる。
今頃笑っているであろう、緑川と赤井の様子を思い浮かべ、何だか無性に腹が立って、今度は思わず防犯カメラを睨みつけた。
「零こっち見てるな。……なんか睨んでね？」
「勘の鋭い降谷くんのことだから、一連の事を見ていたことには勘付いてるんだろうな」
まあ案の定、こいつらには筒抜けではあったみたいだが。
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るか(プロフ) - 続編と番外編が気になりすぎてて夜も寝れないくらい気になってます！！パスワードを教えていただきたいのですが可能でしょうか、？ (5月7日 4時) (
レス) id: 50222dda5e (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 続編と番外編が読みたいのですが、パスワードって教えていただけないのでしょうか？ (2022年4月22日 15時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
あいる - 初めまして!!こんな神作初めて出会いました。ほんとにほんとに素敵です。お気に入り作者にしてしまいました。パスワードのヒントと作品にてオススメという形で載せたいのですがダメでしょうか？？ (2020年11月14日 23時) (レス) id: 23cef4f251 (このIDを非表示/違反報告)
眠猫 - 番外編のパスワード載ってないので教えてくれないでしょうか？作者作品一覧に載ってるのは違う番外編のパスワードのようなので……… (2019年1月28日 18時) (レス) id: b6571f87b9 (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - 作者の作品一覧の所にパスワードというか、ヒントが載ってますよ (2018年4月22日 19時) (レス) id: 7b5ab892e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥
| 作成日時：2017年12月16日 21時
