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123話 ページ45

意外と、時間というものは過ぎ去るのが早いものだ。
特に歳をとると、余計にそれを実感する。思っていたよりも速かった時間の流れに焦ったりもしたが──焦ってもどうやっても、刻限というか、刻日というものは来るのだ。

『A!向こうに戻っても、たまにはこっちに遊びに来なさいよ!来ないと許さないんだからね!」

『ジョディ、そんなに泣いてたら折角の美人が台無しだろう。ちゃんと遊びにくるから泣くな泣くな』

FBIに来て最初に仲良くなったジョディは、ワシントン・ダレス国際空港で私を見送るという時にボロボロと泣き出した。涙を拭ってやれば、ジョディはぎゅうぎゅうと苦しいくらいに抱きしめて来た。
ジェイムズを始めとする上司や同僚も総出で見送りに来てくれて、私というか、日本人よりずっと大きい体格の彼らに囲まれる。
彼らよりずっと小さいものだから、妹のように思っていると可愛がってくれたのだが、この歳だから結構恥ずかしい。

「俺はもう少ししたらまたそちらへ向かう。別件での任務があってな。
………それまではお別れだな。A」

「…ええ。ところで秀一さん、ジョディなんとかしてくれません?」

「最後くらい好きにさせてやれ」

いや、この2年間割と好き勝手にされてたんだが……、まあ、いいか。

痛いくらいに同僚たちから抱き締められたり、撫でられたり、背中を叩かれたり。自由な国なものだから、彼らは職場でも自由だった。

『着いたら連絡しろ』

『そうよ!どうせ向こうでフルヤが待ってるんでしょうから心配はないでしょうけど、連絡はするのよ!』

『俺にも俺にも!』

『A!気をつけて帰るのよ!』

『なんなんだ君達は保護者か!?』

ワイワイといつも通り騒がしくても、フライトの時間はやってくる。
そろそろ乗らないといけない時間になったので、一人一人に挨拶を済ませて、私は手を振ってその場を後にする。

背を向けた仲間たちの視線が刺さるのがわかる。
振り向いてしまいそうだ。振り向いてしまったら泣く自信があるから、振り向いてなんかやらない。

『『『A!!!』』』

…それでも、そんな大声で私の名前を呼ばれたら振り向かないわけにもいかなくて。




『『『I wish you good luck!(君に幸あれ!)』』』


満面の笑顔で私に手を振って、見送ってくれる仲間達に私は自分でも分かるくらい泣きそうな、くしゃくしゃな笑顔で、『You guys, too.(君たちもな).』と手を振って、返した。

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ちゅん(プロフ) - 続編と番外編が読みたいのですが、パスワードって教えていただけないのでしょうか? (2022年4月22日 15時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
あいる - 初めまして!!こんな神作初めて出会いました。ほんとにほんとに素敵です。お気に入り作者にしてしまいました。パスワードのヒントと作品にてオススメという形で載せたいのですがダメでしょうか?? (2020年11月14日 23時) (レス) id: 23cef4f251 (このIDを非表示/違反報告)
眠猫 - 番外編のパスワード載ってないので教えてくれないでしょうか?作者作品一覧に載ってるのは違う番外編のパスワードのようなので……… (2019年1月28日 18時) (レス) id: b6571f87b9 (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - 作者の作品一覧の所にパスワードというか、ヒントが載ってますよ (2018年4月22日 19時) (レス) id: 7b5ab892e2 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 番外編を読みたいのですが、パスワードがわかりません。どうすれば?…… (2018年4月21日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年12月16日 21時

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