79話 ページ45
憑き物が取れたかのように、私の気持ちは晴れやかなものになった。
長年抱えていたものが無くなるのは、とても心地が良くて気分がいい。
前よりもいい顔をするようになったと言われるようになったのは、素直に嬉しかった。
……ただ、何故か最近は降谷の方が調子が悪いみたいだけれど。
「最近降谷調子悪いみたいだけど、何かあったんだろうか」
「あー…なんかあったっていうか……」
緑川と一緒に小休憩でコーヒーを飲んでいて降谷のことを聞いたら、何故か言い淀む。
「ちょっと遅すぎる思春期が来たというか。自覚したというか」
「？ ……何にせよ何か悩んでるってこと？」
「……そうだな(にっぶい…)」
ハァーと何故かでかい溜息をついた緑川。緑川も何か悩んでることがあるのだろうか。
まさか、それが私と降谷のことだとは微塵も思っておらず。
「……Aって好きな人いるのか？」
2缶目のコーヒーを開けた緑川がそう問うてくる。
余りに突然なその問いに、逆に私が「…なんで？」と聞き返してしまった。
困ったように眉を下げた緑川がまた言い澱む。
「なんていうか、さ。……友達にずっと焦れったい関係の奴らがいて、片方は何とか進展させたいとは思いつつも、そのもう片方は何て思ってるのかよく分かんなくてよ」
「…それと私の好きな人云々は、どう関係するの」
「お前に好きな人がいたら、その相手にどうするのかなって思ったんだ」
「……わたしは」
好きな人、か。
仕事一筋生きて来たものだから、あまりそういうことに時間を費やしたことはなかった。
周りに男は沢山いる。というか職場の環境的に、同性が少ないのは仕方のないことだ。
けれど私は男に囲まれてきたものだから、自分でも男勝りでも思うし、その辺の男よりも強い自信もある。
それこそ、そんな男みたいな私を追いかけて、勝てるくらいの人じゃなきゃ、きっと私は、
「………あ、」
「どした？」
心当たりがありまくりな人物を1人思い出して思わず声を漏らしてしまう。
しまったと思った時には緑川が不思議そうに私の顔を覗き込んでいた。
「………こういう場合、友愛と恋愛の区別ってどうするんだろう」
「え！？何その意味深な発言！？好きな人いるのか！？」
やたらと食いついてくる緑川を適当にあしらいつつ、「そんなわけない」と思っている自分がいた。
仮にそうだったとしても、向こうは私の事が大嫌いなのに。
80話(確認ミスで後から追加しました)→←君の弱点【番外編】
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ちゅん(プロフ) - 番外編みたいです(;_;)パスワード知りたいです（ ; ; ） (2021年3月7日 14時) (
レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
闇月 - イラストが最高で思わず保存したいと思ってしまいました！ (2019年9月25日 19時) (レス) id: ceaacc411b (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - なんかもう理想すぎるストーリーが見つかってまだまだこれから頑張れる。ありがとうございます。これからも頑張ってください。 (2018年4月28日 12時) (レス) id: 6434e4011a (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - 蒼衣さん» こんにちは！いきなりごめんなさい…。用件は下の私のコメントと同じです。よかったら見てみてください！ (2018年4月22日 22時) (レス) id: 8f71bf94c7 (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - 湊叶さん» こんにちは。突然すみません！パスワードなんですが、作者さんの作品一覧のページのコメントを見ると書いてありますよ！脇から失礼しました！ (2018年4月22日 22時) (レス) id: 8f71bf94c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥
| 作成日時：2017年10月23日 18時
