53話 ページ17
「……すいません服まで」
「別に気にするな。今日1日はお前の休みを買ってるわけだしな」
「飯の前に上下一式服を買ってこい(俺のカードで)」と言われ、近場にあった服屋で申し訳ないが秀一さんのカードで買わせてもらった。
服とか買ったの一体いつぶりだろう。スーツばかりだったので、私服に腕を通すの自体随分と久しぶりだったので、秀一さんが服を買えという理由も何となくわかるが。
「まあ今まで連絡してなかった詫びだと思え」
「秀一さんも忙しかったんでしょうから、別にそんなこと気にしなくても」
「……また3ヶ月くらい連絡取れずに、知らん間に死にかけてたら心臓に悪いからな」
「…あれは私の不始末ですから」
どうも秀一さんも、あの刺された時の話はあまり良い気分では無いようだった。
どうも周りにいる男たちは妙に過保護だというか。……いや、私に頓着が無いだけかもしれないな。
こうして秀一さんと2人で街を歩くのなんて、一体いつぶりだろうか。
知らない間に時間だけが進んでいて、時間も年齢も食ってしまって。
それなのに、私と降谷の関係性はなにも変わらないまま、微妙なままここまで来ている。
(……仕事してた方が気が紛れるな、ほんと)
公安に所属して以来、随分と自分がワーカーホリックになってしまったことを改めて痛感する。
仕事人間なもんだから何もかもおざなりにして来た。自分自身の事さえも。
「仕事したい…」
「久々の休みかつ、俺と出かけているのにその台詞はいい度胸だな」
「あだだだすみませんって、逆に休みが暫く続くと落ち着かないだけで」
「……これだから日本人は…」
社畜大国の国民ですよ。どうもすみませんね。
互いにため息を吐いた後、ご飯は何処にするかという話題になる。
「……私この辺詳しいわけでは無いんですが」
「俺もだがな。とりあえずお前は今日肉以外のものは食わせない」
「何でですか!野菜とかも食べさせてくださいよ!」
「まずは肉を食って肉をつけてから言え。」
飯に連れて行くとか言いながら、選択権は私には微塵もなかった。
俺も肉は食いたいから焼肉に行くぞ、と言われ、これからたらふく肉を食わせられるであろう未来を考え、もう既に今から胸焼けがした。
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ちゅん(プロフ) - 番外編みたいです(;_;)パスワード知りたいです( ; ; ) (2021年3月7日 14時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
闇月 - イラストが最高で思わず保存したいと思ってしまいました! (2019年9月25日 19時) (レス) id: ceaacc411b (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - なんかもう理想すぎるストーリーが見つかってまだまだこれから頑張れる。ありがとうございます。これからも頑張ってください。 (2018年4月28日 12時) (レス) id: 6434e4011a (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - 蒼衣さん» こんにちは!いきなりごめんなさい…。用件は下の私のコメントと同じです。よかったら見てみてください! (2018年4月22日 22時) (レス) id: 8f71bf94c7 (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - 湊叶さん» こんにちは。突然すみません!パスワードなんですが、作者さんの作品一覧のページのコメントを見ると書いてありますよ!脇から失礼しました! (2018年4月22日 22時) (レス) id: 8f71bf94c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2017年10月23日 18時