52話 ページ14
目を覚ましたら唐突に秀一さんから『出かけるぞ』とだけ言われ、急いで風呂を借りさせて貰った。
その後半ば強制的に車に乗せられて、『飯はいつも何食ってるんだ』と聞かれ、暫く逡巡した後に『…牛丼?』と答えれば途轍もなくデカイため息を突かれた。解せぬ。
「そんな不摂生な食生活してるから、余計痩せるんじゃないか」
「なっ…!牛丼舐めないでくださいよ、安くて美味しいんですよ」
「せめてもう少しマシなものを食え」
「アメリカナイズされてるような人に言われたくないんですけど」
「……ハンバーガーには野菜入ってるだろ」
「ほら!私より段違いに悪い食生活送ってるじゃないですか!」
どうやらご飯に連れて行ってくれるみたいだが、秀一さんも私も食生活がガタガタすぎてどうしようもなかった。
私のことを心配してくれているみたいだが、秀一さんの方が相当ヤバイんじゃないだろうか。だってアメリカの食べ物って、油や砂糖の量半端ないのに。
「なのに、秀一さんそんなスタイルいいんですもんね…これだから異国の血が入ってる人って…狡い…」
「お前は食ったもの全部胸に行ってるんじゃないのか」
「セクハラ親父」
「なんとでも言え」
畜生、私が秀一さんを褒めるような形に終わってしまった。
痩せたか、とそう言えば昨日言われたことを思い出し、まさかたらふく食わせる気なんだろうか、と思えば心を読んだのか、はたまたエスパーなのか、秀一さんは「食べたくないと言うまで食わせるからな」と死刑宣告を浴びせてきた。
「……勘弁してください」
「2回目」
「は?」
「こちらの話だ」
何の話なんだよ。
久々の休日だからゆっくりしようと思ったけど、まさか連れ回される羽目になるとは。
「それに服も買うぞ。服に至っては俺の家に泊まったから昨日のままだしな。」
「い、いや、別にそこまで、」
「心配するな、俺のカードはブラックだぞ」
「金の心配してるんじゃないんですよ!ってかどんだけ高価なもの買う気なんですか!」
FBIつよい。その年でブラックカードか…凄いな…私頑張ってゴールドなんだけど……ブラックカードってどんくらい稼いだら手に入るんだろうか……
「どうせ服すら買ってないんだろう」
「買ってないですけど。何もそこまで…」
「俺がしたいだけだ」
……昔からではあるけど、秀一さんが何を考えてるのか分からない。
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ちゅん(プロフ) - 番外編みたいです(;_;)パスワード知りたいです( ; ; ) (2021年3月7日 14時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
闇月 - イラストが最高で思わず保存したいと思ってしまいました! (2019年9月25日 19時) (レス) id: ceaacc411b (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - なんかもう理想すぎるストーリーが見つかってまだまだこれから頑張れる。ありがとうございます。これからも頑張ってください。 (2018年4月28日 12時) (レス) id: 6434e4011a (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - 蒼衣さん» こんにちは!いきなりごめんなさい…。用件は下の私のコメントと同じです。よかったら見てみてください! (2018年4月22日 22時) (レス) id: 8f71bf94c7 (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - 湊叶さん» こんにちは。突然すみません!パスワードなんですが、作者さんの作品一覧のページのコメントを見ると書いてありますよ!脇から失礼しました! (2018年4月22日 22時) (レス) id: 8f71bf94c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2017年10月23日 18時