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・太宰視点

あの後は安吾は社長に何か話をしてから、最後にAに少し話をして、其処で探偵社を去った。
何か異常が見られたら直ぐに連絡が繋がる様にはしておく、と私にも最後一言伝えられる。

そして、安吾が社長に話していたのは、三日間Aはこの姿の為、私に面倒を見て貰うので有給か、私が仕事中の間は探偵社に置いてやって欲しいとの事らしい。
社長が「三日間有給だ」と云って来たのはそういう事だろう。この人は結構豪快な方だ。まあ、私が居なくても、今では色々覚えてきた敦君と鏡花ちゃんも戦力になるし、大丈夫なのだろう。

という訳で、突然私は暇が出来て仕舞った訳だ。
何時もはさぼりに定評のある私だが、突然暇を頂いても其れは其れで困るものだ。
如何したものかな、と悩んでいると、探偵社の開いて居た窓から風が吹く。

否、風などという生易しいものでは無かった。
風というよりは嵐の様に、その子は突然やって来た。

「───あら!本当に小さくなってるのね、A!」

風を切る様な音と共に、窓から飛んで来た小さな少女──嘗て、エリス嬢と呼んでいた小さな少女は浮かびながらAを見下ろしていた。

「……え、エリス…?」

「そう、エリスよ!私からしたら懐かしいわ、A!」

呆気に取られているAと、同じく呆気に取られている私達は、エリス嬢がAを軽々と抱え込む動作を見るまで固まった儘だった。

「御免なさい、オサム。リンタロウが是非見たいってはしゃぐんだもの!勿論危害なんて加えないわ。夕方位になったらちゃんと返すから、だから少し、この子、借りていくわね」

「ちょっ、待っ…!!」

「え、エリス…!?」

「うふふ、御免なさい。高い場所だから少し怖いかもしれないわね。少し目を瞑って貰ったら一瞬よ。舌、噛まないでね」

一番近くに居た社長は、反応して抜刀しかけるが、Aを抱えられている手前、其れは叶わず。
探偵社の窓から飛び出る前に、何人か飛び掛かったが、ひらりと避けてエリス嬢は其の儘Aを抱えて飛んで行って仕舞った。

「あンの中年…!!!」





恨みがましく窓の外を眺めても時既に遅し。
呆気に取られている間にまんまとAを連れ去られて仕舞った。






「わあ、すごーい!高い!飛んでる!」

「あら、意外と怖がらないのね」

「……エリス嬢、俺が抱えますよ」

「ちゅうやさんも飛んでる!?」

「そういや、手前に異能使うの見せるの初めてか」

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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
- どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月15日 19時

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