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・織田作視点

太宰から紹介された渡瀬Aという子は、本当に太宰の云う通り、何処にでも居る普通の青年だった。

あの魔人と友人だと云われても最初は信じられない程に、平凡で普通な、当たり前そのものを体現した様な子だった。
引き取っている孤児達を思い出す。あの子達は抗争で親を亡くしたという事以外は平凡な子達だ。親に未だ庇護され、愛され、育たなければ行けない年頃。

殆ど無意識に、何時もあの子達にやるのと同じ様にして、Aの頭に手を伸ばし、撫でた。

「っ、わ、お、織田さん?」

戸惑った様子のAだが、その手は何故だか止める事が出来なかった。
太宰はニコニコと、そんな俺とAの様子を見つめている。

Aは長男だという。
しっかりしているところも、其れには納得だった。きっと下の子達の面倒を見て、可愛がってきたのだろう。
太宰を甘やかしている姿は、手慣れているものだったのだから。

だが俺からしたらAも未だ子供だ。
だからだったのだろう。この横浜に1人やってきて、懸命に頑張っているAの姿が何処かにあの子達と重なったから。

「あの、織田さん、あの……」

夢中で撫で続けていて、Aに呼ばれるまで気付かなかったが、よく見たらAの顔は茹蛸の様に真っ赤になっていた。

「厭か?」

「否、あの、その、お、俺は長男だったもので、だからその、余りこういうの慣れてないというか、」

本人自体も理解が追いついていないのか、言い訳の様に「あの、その、」としどろもどろとした様子で、最終的に堪え切れなくなったのか、両手で顔を隠した。
………赤い耳は丸見えだが。

「えっ、Aもしかして照れてる?」

「てれてない…」

「うっっっっわ声ちっっっっさ 私でなきゃ聞き逃しちゃうね」

珍しいものを見たのか、太宰は見るからに気分が上がって、背後からAに抱き付いて両手を引き剥がそうとする。
勿論Aは必死の抵抗で意地でも両手を顔から離さなかった。

「普段お兄ちゃんでお母さんだから、こうやって年上の人に撫でられたりするの慣れてないんでしょ〜?Aもか弱いところあるんじゃないか〜うふふ」

「お母さんは余計だっつの!!撫でるな!!」

太宰まで一緒に撫で出して、とうとう体操座りになって縮こまったAに、心底楽しそうに撫で続ける太宰と一緒に俺も撫で続ければ、「母さんたすけて…」と心底絞り出した様なか細い声が聞こえた。

××××

普段照れない子が照れるのが好きです

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(プロフ) - 勿論不快にさせた事実は変わりませんが、改めまして女狐呼びは後日修正させていただきます。公式からの呼び名がもし出たらその際はまた変えるかもしれないです。今回はお騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。 (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» 妲己、というのもよく考えたら失礼かなと思ったので追記を。前記の通りキャラを貶す意図はなく、クリスティ爵の残酷な面が垣間見える彼女の言葉一つで街を焼ける、といった権力の強さに狐であった妲己のようだ、といった自分の解釈もあります。→ (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 呼び方の方は後日修正させていただきます。コメントありがとうございました。 (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 誤解を招くようですが、クリスティ爵はとても好きです。映画で動いて声もついたのは本当にとても嬉しかったです。映画のイメージで「こう言う感じの方かな」と言ったイメージが先走ってしまって申し訳ありません。それと夢主持ち上げ、というよりはその辺の→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» といった意味で女狐呼びをさせていました。軽率にしてしまい申し訳ありません。情報が少ない方なので、私なりの解釈等も混ざってしまい、呼び方等に不快な思いをさせてしまって申し訳ないです。決してキャラを貶すために使ったものではありませんでした。→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年11月13日 18時

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