ヨコハマのヤベー奴らと一般人くんの日常 弐【男主】

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・織田作視点

……両端が何処と無く気まずい雰囲気を感じる。
普段通りを取り繕っているものの、何処かぎこちなさを二人から感じた。
何かあったのかと、Aに聞こえぬ様に太宰に耳打ちしたが、「…別に」とぶっきら棒に返されるだけだった。喧嘩でもしたのだろうか。

ほぼ無言で拉麺を食べ始めるものだから気まずさが限界突破している。俺を挟むのはやめてほしい。俺は壁か何かなのか。

その後はAを無事に送り届けた後、太宰と一緒に帰っている中、「織田作ぅうう……」と普段の冷酷な太宰を見ている人間からは決して想像もつかないような、弱々しい声を漏らした。

「……如何したんだ、今日は矢鱈と仲が悪い…とまでは云わないが気まずそうにしていたな」

「…織田作に悩み事相談？か何かしてるみたいじゃない。其れは、私には云えない事なのかいって云ったら何も答えてくれなかった」

「………あー…」

そりゃあ云えない。
太宰や中原さん、芥川の事を話しているのだ。決して悪口とかでは無く、彼らとの接し方はこれから如何したら良いのかとか、大事に思っているが故に踏み込めない事、……などだ。

芥川は知らないが、少なくとも中原さんや太宰はAの事を同年代の人間として好意的には思っている。いるが、お互いの隔てる壁の高さ。一般人である自分からは何も云えないし、踏み込めない歯痒さが悩みの種で。

「済まないな。此れは俺からも云ってやれない。」

「……だろうね。あーあ、当面Aの処に多分来れなくなるだろうし、その前にこんな気まずい儘なの、厭だったのだけれど」

ミミックや安吾の件で最近は慌ただしい。
暫く会えなくなるともなれば、時間が解決する事を祈るのみだ。

「まあ中也ぐらいだったらギリギリ顔出しくらいは出来るかな。偶に行かせてAの様子聞こうっと」

其れでも溜息を吐く太宰に、「飲みに行こう」と誘えば食い付かれる。
太宰にしては珍しく、ヤケ酒したい気分な様で、今日は私が奢ると云っていたので、ご相伴に預かる事にした。







(うああああああああん先生〜〜！！！！ねえAと喧嘩？では無いけどなんか気まずくなっちゃったよおおおおお)

(こら止めろ太宰。先生も厭がってるだろ)

(安吾が居ないから矛先は先生に向けるしか無いでしょ！！あ〜〜もう安吾ったら何処で何してるか知らないけど、ちゃんと五体満足なんだろうね！？)

(…無事である事を祈るのみだろ)

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