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・太宰視点

漸く告げる事が出来た織田作の死を、きっともう、元々から察しが付いていたのであろうAは、ゆっくりと咀嚼し、「……そうか」とそれを飲み込んだ。
……顔色が悪い。きっと、体調を崩す位に心配していたのだろう。幾分か細くなった様に思えるAの腕を、思わず握った。

「私ね、マフィア辞めたんだ」

「は!?」

「織田作に云われたんだよ。人を救う側になれって。
何れ君が人を救う側になるなら、私も君と同じ人を救う側になれって、最期にそう云われた」

そうすれば、きっと今よりはずっと、胸を張って君の友達だと云える様になれる筈だからと。
此の儘マフィアに居て、君は人を救う側になったら、きっと私は君の側には居られない。また、私は置いて行かれてしまう。本当に私の側には、誰も居なくなってしまう。

「織田作の云う人を救う為の仕事に就くには、経歴を洗浄しなくてはならなくてね。最低二年は、身を隠さないといけない。
……二年は君と逢えないし、若しかしたらそれ以上の時間が掛かるかもしれない」

「……」

Aの両手を握る。嗚呼、まるで、一世一代の告白でもするくらいの覚悟だ。
……否、そうだね。ある意味告白なのかもしれない。

君にこれで私は、漸く踏み込める。

「二年、若しかしたら三年とか、四年とか掛かるかもしれない。
けれど私が漸く君に顔を合わせられると納得出来るくらいの人間になった時、会いに来るから。
その時はどうか、

……どうか、私の友達になってくれますか」

目を瞬かせたAは、一瞬くしゃりと顔を歪ませた後、「……また待たなきゃいけないのか」と呟いた。
そうだね。また、待たせちゃうね。御免ね。何時も何時も、待たせてしまってばかりで。

きゅ、と手を握り返される。
泣きそうな、けれど勘違いでなければ、何処か嬉しそうなAの顔に、胸が苦しくなる。

「行ってらっしゃい」

ただ、一言。

云いたい事も、聞きたい事も、沢山あるはずなのに。
何時もそうだった。何時も踏み込まない様に、空気を読んで何も云わなければ聞かなかった。其れが有り難かったし、其れと同時に、隔てる壁を更に実感して、悲しかった。

けれど、私が地下を出て、また君と会える時には其れも無くなっているだろうか。

……無くさないといけない。だって、友達になろうと私が云ったのだから。

行ってきます。と返す。
何年掛かるかは分からない。其れでも、君が待っていると云ってくれたのだから。

其れだけで、私は、

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(プロフ) - 勿論不快にさせた事実は変わりませんが、改めまして女狐呼びは後日修正させていただきます。公式からの呼び名がもし出たらその際はまた変えるかもしれないです。今回はお騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。 (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» 妲己、というのもよく考えたら失礼かなと思ったので追記を。前記の通りキャラを貶す意図はなく、クリスティ爵の残酷な面が垣間見える彼女の言葉一つで街を焼ける、といった権力の強さに狐であった妲己のようだ、といった自分の解釈もあります。→ (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 呼び方の方は後日修正させていただきます。コメントありがとうございました。 (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 誤解を招くようですが、クリスティ爵はとても好きです。映画で動いて声もついたのは本当にとても嬉しかったです。映画のイメージで「こう言う感じの方かな」と言ったイメージが先走ってしまって申し訳ありません。それと夢主持ち上げ、というよりはその辺の→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» といった意味で女狐呼びをさせていました。軽率にしてしまい申し訳ありません。情報が少ない方なので、私なりの解釈等も混ざってしまい、呼び方等に不快な思いをさせてしまって申し訳ないです。決してキャラを貶すために使ったものではありませんでした。→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年11月13日 18時

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