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薄暗い路地裏。光なんて、本当に僅かしか無いような奥深い場所まで連れて行かれて、流石に怖いなと思い始めたところに、「Lupin」と書かれたぼんやりと光る看板の前で、織田さんは漸く立ち止まった。

「此処だ」

「……バーですか?此処、俺入っても善いんです?」

「太宰と俺と、後もう一人が行きつけにして居るところだ。安心しろ」

「マフィア御用達な感じがして何処にも安心出来る要素が無い……けどまあ、此処まで来ましたし」

マフィアと関わりすぎて、自分でも神経が図太くなりつつあるなと自覚しつつ、相変わらず手はそのままで、其の儘俺と織田さんは店の中に入った。
お洒落な店内だ。年季が入った、昔ながらの雰囲気を醸し出しつつも、上品な感じで、店の場所も合わさって、知る人ぞ知る店、みたいな感じがする。

カウンター越しに設置されている椅子に座り、織田さんはマスターらしき人に「いつもの」と答えた。

「何が飲みたい?酒は駄目だぞ」

「飲みませんよ。うーん、烏龍茶でお願いします」

どう見ても未成年の俺が此処に来ているのに、マスターらしき人は咎めるわけでも無く、『畏まりました』と手慣れた手付きで熟す。
…嗚呼そうか。太宰と織田さんの行きつけなんだった。今更な話なんだろう。

こういう所に来るのは一寸した悪い事をしているみたいで、正直ワクワクしている俺も俺ではあるが。

織田さんの酒と、俺の烏龍茶が出された所で、マスターは奥の方へと引っ込んでいった。仕事があるのか、又は空気でも読んでくれたのか。

「太宰治という男は、一言で云えば、マフィアになるべく生まれたような男でな」

切り出されたその話題に、言葉に、喉が詰まる。
其処から織田さんの口から話されたのは、マフィアでの太宰の話だった。

史上最年少幹部である事。
悪を煮詰めたような男。
太宰治という名前だけで、敵はおろか、味方でさえ震え上がるほどの残忍さと残虐さで数々の闇のリストを打ち立てている、正に、マフィアになるべく生まれたような男である太宰の話だった。

「其れが太宰を構成するものだ。彼奴は、この横浜の闇を体現する男。中原さんだって同じくだ。だが、何もかもマフィアの黒で構成されている太宰は、その黒が、お前と出会った事で足枷となった」

俺と友達に踏み込めない理由。

自身に纏わりつく闇の全てが、俺と出会った事で全て引っ繰り返り、自分自身の足枷となってしまったのだという。

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(プロフ) - 勿論不快にさせた事実は変わりませんが、改めまして女狐呼びは後日修正させていただきます。公式からの呼び名がもし出たらその際はまた変えるかもしれないです。今回はお騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。 (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» 妲己、というのもよく考えたら失礼かなと思ったので追記を。前記の通りキャラを貶す意図はなく、クリスティ爵の残酷な面が垣間見える彼女の言葉一つで街を焼ける、といった権力の強さに狐であった妲己のようだ、といった自分の解釈もあります。→ (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 呼び方の方は後日修正させていただきます。コメントありがとうございました。 (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 誤解を招くようですが、クリスティ爵はとても好きです。映画で動いて声もついたのは本当にとても嬉しかったです。映画のイメージで「こう言う感じの方かな」と言ったイメージが先走ってしまって申し訳ありません。それと夢主持ち上げ、というよりはその辺の→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» といった意味で女狐呼びをさせていました。軽率にしてしまい申し訳ありません。情報が少ない方なので、私なりの解釈等も混ざってしまい、呼び方等に不快な思いをさせてしまって申し訳ないです。決してキャラを貶すために使ったものではありませんでした。→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年11月13日 18時

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