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・太宰視点
人が作った料理の味がする。
渡瀬A君が作ったご飯を咀嚼しながら、ちらりと彼の方を見た。
何処にでもいるような、普通の、平凡な青年だ。年は大体私と同じくらいに思える。
こういう、暖かくて質素で、其れで居て平凡な料理を食べたのはいつぶりだろう。
マフィア傘下の企業幹部と会食をしたり、取引先と高級な料理を口にする事はよくある事だ。
彼の料理は平凡だ。平和に過ごして来た人間が作る質素な料理。
だが、それでも私にとっては久方振りに本当に「美味しい」と思えるような料理だった。
触れたことの無いこういった平凡で一般的な生活に少し触れて、マフィアに居る時は全く感じた時の無い居心地の良さを感じてしまった。
思わず美味しい、と口から漏らす。
目の前の彼は少し嬉しそうに笑った。
「何処の誰とも分からない人間を家にあげて、ご飯までご馳走してくれるだなんて、君は随分お人好しなんだね」
「まあ此れは性分だ。一応こんなんでも長男だし。ちょっかいかけたり面倒見るのは、長年染み付いた生活の所為だよ」
味噌汁を飲みながら「ちょっと濃かったか…」と呟く彼だが、私からしたら美味しいのに、とは思うものの口には出さない。
生活感のある料理が本当に美味しくて、あっと言う間に食べ終えてしまった。
「あれ、太宰君もう食ったの？意外と食べるねー、細いから少食なのかなって思ったけど杞憂で何より」
一応おかわりあるよ、と云われて彼の顔をジッと見る。
普段は遠慮とか全くしないし、好き勝手に場を引っ掻き回す私にしてはらしくもなく、其処からの言葉が何故か出てこなかった。
未だに口に頬張ったままの彼は、「ん。」と手を出して、言外におかわり持ってくるよのその態度に観念して素直に茶碗を手渡した。
察するのが上手かったり、あまり突っ込んでこない感じから、嗚呼、彼は本当に兄で、長男で面倒見が良いのだと思った。
台所に茶碗を持って行ってしまった後、思わず頭を抱えた。
何してるんだろう、私。
誰とも知れない、助けて貰ったとはいえ他人の家に上がって面倒を見られている挙げ句、ご飯までご馳走されて、お代わりまで強請ってしまったなんて、こんなの、森さんと中也に見られたら絶対爆笑されるに決まってる。
無性に恥ずかしくなって死にたくなった。否、死にたいのは何時ものことだけれど。
「胃袋つかまれて如何するの私…」
其れも此れも、彼のご飯が美味しいのが悪い。
××××
ごはんがおいしい太宰さん。
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零 - 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (
レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです！ (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです！！ (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです！ (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか？ (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥
| 作成日時：2018年9月28日 16時
