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・ドストエフスキー視点
何処にでもいる普通の人間、確かに渡瀬Aという人間は、そういう人間だった。
世渡りが上手い、というのだろうか。
人の顔や雰囲気や不調に直ぐに察せる人間で、それに合わせた対応を即座にしてくれた。
如何やら看護学生らしく、納得もした。不調になると直ぐに適切な対応をするからだ。
如何も、彼は太宰君と繋がりがあったのを知った当初は、太宰君が僕の様子を監視させる為に彼を送り込んだのでは、と勘繰ったこともありましたが、そんな事は無かった。
太宰君がAを脅してるだとか、そういう事は何も無く、本当にマフィアと一般人との間にあるその絆に、ぼくは驚いたのです。
羨ましい。ぼくにも、魔人と呼ばれるぼくにも、あんな確かな絆を築けるのなら。
「ドス君どした。黙り込んじゃって」
観念してからもぐもぐとキャビアクレープを咀嚼するAがぼくの顔を覗き込む。
体調が悪いと思ったのだろうか、伸びった前髪でぼくの顔が余り見えないらしいAは、ぼくの前髪を搔き上げて、ぼくの顔をじっと見た。
「んー？別に顔色悪いって訳じゃ無さそうだし…大丈夫？一回何処か座るか」
「いえ。大丈夫ですよ。少し考え事をしていたので」
「なら良いんだけどさ」
下に弟妹が居ると以前聞いた。
きっと可愛がっていたのだろう、と何となく思う。
……その優しさを利用して、付け入ろうと考えなかった訳ではない。だって死の鼠の家なんて物騒な地下組織の頭目だ。利用して、傀儡として彼を使うことなんて、きっと沢山あるのに。
『友達になってくれませんか』
『ウッス』
多分混乱していたのもあるんだろうが、こんな得体の知れない人間に対してあっさりと返事をした、あの時の彼に驚いた事を、今も鮮明に覚えて居る。
だって美味しかった。余り進んでご飯を食べないぼくが、あの時貰った弁当が本当に美味しかったのだから。
「A」
「ん？」
「君が作ったボルシチ、食べてみたいです」
「作った事ないなあ。じゃあ今度おいでよ。作り方調べとくから」
お世辞にも人に好かれ易いとも云えないぼくに、一定の距離感を保って一緒に歩いてくれる。
そんな普通で当たり前の、何処にでもいるような君だから、ぼくが友達になりたいと思ったの、きっと君は知らないんでしょうね。
まだ友達にすら踏み込めていない太宰君たちに一寸した優越感を感じながら、ぼくはAの隣に並んで歩いた。
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零 - 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (
レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです！ (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです！！ (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです！ (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか？ (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥
| 作成日時：2018年9月28日 16時
