ヨコハマのヤベー奴らと一般人くんの日常【男主】

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特に行ってみたい所は無いとは云ったドス君ではあるが、「一つだけ、行ってみたいところがそういえばありました」と思い出した様で、ポケットから取り出した小さな東京の地図を見る。

「此処なんですけど」

「此処って、浅草？へえ〜定番のところじゃん」

「観光パンフなんかで良く見かけてはいたので、気になってはいたんです。でも、観光名所なだけあって、人は多いから1人で行くのは流石のぼくにも不安で」

「なるほどなぁ。まあ今回は俺がいるし、行ってみようか」

修学旅行で一度行ったっきりかな浅草は。
偶に気分転換に東京に遊びに来た事は今までもあったが。
其れにしてもドス君は余り観光名所だとか、そういうのは関心が無いイメージだった。

「観光といえば、ロシアのエルミタージュ美術館、一回行ってみたいんだよな」

「Государственный Эрмитажですか？美術館とか、好きなんですか」

「美術館自体も好きなんだけどね。というかロシアは色々行ってみたい観光名所多いからな〜」

バイカル湖とか、聖ワシリイ大聖堂とか色々見てみたいものが多い。
聖ワシリイ大聖堂なんかは良くテレビとかで見かけるし、一度くらいは生で見てみたいなという気持ちがある。

「じゃあ、いつかぼくと一緒にロシア旅行に行きましょう」

「えっ」

「案内しますよ。心配しなくても大丈夫。旅費や宿泊費からその他諸々、全部ぼくが出しますので」

「いやいやいや！一緒に旅行するだけならともかく、ドス君に費用全額負担はさせられるわけ無いだろ！」

「ぼくからしたら端金です。君と一緒にロシアを回れるのなら安いものですよ」

か、金持ってる人間の気持ちが分かんねえ〜〜〜〜！！！
然しヤベー組織の頭目らしいドス君の金で旅行というのは、その金は真っホワイトどころかグレー通り越して黒なのでは…？その金で旅行とかなにそれこわい。

「大丈夫ですよ、君との旅行なんですから、ちゃんと綺麗なお金を用意しますし」

「心でも読んだの？じゃなくて綺麗なお金って時点でだいぶ怖い」

あ、着きましたよ。と浅草に着いたところで話を逸らされた。おいこら話を聞け。話を終わらせるな。
然しお目当ての場所に来たところで、ドス君も心なしか若干楽しそうだ。
……もうこの話は終わりにしとこう。





「あれ大丈夫ですか。あの門の下潜ったらあの大きな提灯、落ちて来たりしませんか」

「落ちないから大丈夫だから」

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