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イケメン君の名前はどうやら太宰君というらしい。
起きたばかりの所為なのか、少し未だぼんやりしている太宰君にご飯のことを聞けば、食べると頷いた。

食欲があるなら回復はしているのだろう。良かったと思い黙々と料理の続きを作る。
小腹が空いたと、下の弟に強請られて作った卵焼きを作りながら、ふと何となく懐かしい気持ちになった。
ふと、背後に気配を感じて背後を見たら、そわり、と何やら落ち着かなさそうな様子の太宰君が此方を見ていた。

焼き終わった卵焼きを皿に乗せ、「どしたの?」と聞くと「……此処って包帯とかあったりするかい」と云う。
あー、そう云ば太宰君、身体中に包帯巻いてたな。所々確かに傷はあったけど、包帯を巻く程でも無かったような。

「あるよー 練習用に買い溜めたりしたのがある」

「練習用って何?」

「あー、俺看護学生だからさ。巻いたりする時の練習とかしたりね。偶にやらないと忘れちゃったりするからさ。
あっ、でも肌には巻いてないよ!ちゃんと綺麗なやつだから安心して」

救急箱から買い溜めしているいくつかの種類の包帯を取り出す。
これでも良いかなと聞けば、こくりと太宰君は頷いた。

「包帯はあげるし巻いてあげるから、とりあえずご飯食おっか。俺も太宰君もお腹すいたし」

料理運ぶから座っておいてと云えば素直に太宰君は部屋に戻っていった。
とりあえずある材料で作ったけど、もし好き嫌いあったらどうしよう。まあでもその時は俺が食うか、次の日に回せば良いか。

地味にメキメキと成長する家事レベルに、最近大家さんとおかずの交換をしたりする時があるのだ。

料理を運べば、興味深そうにじっと料理を見る太宰君の姿に首を傾げた。
在り来たりな料理の筈だけれど。其れともそんなにお腹空いてるんだろうか。

「食べて良いの?」

「いーよ!食えるだけ食ってね!嫌いなものあったらごめんな!」

頂きます、と太宰君と一緒に手を合わせて御飯に手をつける。うん、最初の頃に比べると上手くなったな俺。偶に焦がしてしまった時に比べたら成長したもんだ。
太宰君は「………美味しい」と漸く年相応の少し柔らかい笑みを浮かべていて、イケメンは何しても絵になるなぁ、とそんな事を思った。

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- 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです! (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです! (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか? (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月28日 16時

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