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・太宰視点
『血に塗れたお前に、友達？』
夢の中でも私は死ぬ事を繰り返して、其れでも夢の中ですら死ねなかった。
そんな私をまるで嘲笑うかの様に、『悪夢』は人の形を取って私を直接嗤いに来た。
寄りにもよって、渡瀬Aの姿を使って。
『マフィアの中での友人ならいざ知れず、ただの一般人で、普通の人間に対して、友達になりたいだなんて、お前の道は振り返っても死体しか無い癖に』
「……彼を、此方側に引き込むつもりじゃあない」
『なぁ太宰治。これはお前の悪夢だ。お前が最も友として望む人間の姿が悪夢として現れた。分かっているんだろう、この悪夢は、お前が最も恐れているものの形だ。』
「………」
…渡瀬君が到底する筈もない、人を見下し、嘲笑うその顔は、悪夢と自称するだけあって胸糞悪くなる様な嗤い方だった。
彼はそんな嗤い方などしない。悪夢が、悪夢如きが彼の姿を借りるな。使うな。寄りにもよって、如何して彼の姿を、
『恐いんだろう太宰治。お前は渡瀬Aに、自分の正体を知られた時に拒絶されるのが。
友としての繋がり求めるこの人間に、こうやって嘲笑われる事が、何よりも恐ろしいのだろう』
愚かな人間。人間の癖に全然人間らしくないお前が、陽だまりの中にいる人間に、安らぎを求めることがどれ程の身の程知らずなのか。
厭と云う程分かっている。云われずとも分かっているさ。
身の程知らずであることも、友としての繋がりを求めている事だって、
そんな私を見て、悪夢は嗤うのだ。
可哀想に、なんて口にしても、顔は嘲笑ったままの薄気味悪い笑みを貼り付けたまま。
楽しそうに、愉しそうに悪夢は次の瞬間には、渡瀬Aが何時も浮かべる笑顔を浮かべて、こう云うのだ。
『ねえ、太宰君。俺、君の事大嫌いだよ』
「………ッッ！！！」
ソファの上で眠っていたところを、最後の悪夢のその言葉で飛び起きる。
じっとりと厭な汗を掻いていた。あれは夢だ。あれは悪夢で、現実となんら変わらない。あれは私の心底恐れているものが、夢として現れた紛い物。
夢に見て漸く自覚した。あれは、私が最も恐れている言葉。そして出来事だ。
彼に拒絶される事を酷く恐れているのだと思い知らされた。
我ながら悪趣味だと思った。
悪夢が彼の姿を使って、私の恐れる言葉と出来事を、其の儘再現し、気分最悪のまま現実に引き戻したのだ。
大嫌いだよ、と彼の声で云った悪夢の声が、何時迄も耳にこびり付いて離れない儘だった。
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零 - 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (
レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです！ (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです！！ (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです！ (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか？ (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥
| 作成日時：2018年9月28日 16時
