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「! 美味えな此処の」
「でしょー?学校が早く終わった日なんかに偶に来るんだけど、美味しいし安いんだよ」
中也君と件の拉麺屋にやって来て、俺は何時も頼む醤油拉麺を頼み、中也君は豚骨拉麺を頼んだ。
拉麺が来た時の中也君は「おぉぉ…」と子供の様に目を輝かせていて、不覚にも可愛いなと思った。本人に云ったらきっと怒られるだろうと思って、口には出してないけど。
「オイ渡瀬、其方の手前のも食わせろ」
「ん、良いよ。中也君のも食べたい」
互いのものをシェアするという女子みたいな事もやっている。
豚骨自体は余り食べた事が無かったけれど、矢っ張り此方も凄く美味しい。今度は豚骨頼むのもアリだな。
中也君と云えば、美味しそうに頬張っていた。彼は美味しい、だとかそう云うのを直ぐ口に出すので正直料理は作り甲斐があるタイプである。
「おい渡瀬、此方向け」
「ん?」
拉麺を今まさに口に入れようとした瞬間、パシャ、と中也君に写真を撮られて固まる。
「ちょっ、何で撮ったんだ」
「太宰の野郎に送りつけてやろうと思って」
「先刻の間抜け面を選りに選って太宰君に!?ちょっ、消して!送らないで!」
「残ァ念、もう送っちまった」
「ああああああああああ」
必死に手を伸ばすも、それも虚しくしてやったりな顔で送信画面を見せ付けられて崩れ落ちそうになる。
絶世のイケメンに先刻の間抜け面を見られるとか何それ辛い。
「中也君酷え…」
「悪かったっつの。まァ太宰への土産だな」
「何処が!?」
箸を咥えながらニッと不敵に笑う中也君は、行儀悪いのに謎の色気がある。イケメンこわい。何しても格好良いんだもんなぁ。
俺だってイケメンに生まれて女の子とキャッキャウフフしてみたかったよ。
「中也君絶対モテるでしょ」
「あァ?……先ず周りに女っつー女が余り居ねえな」
「え?そうなの?」
「まあそれ以前に女なんか近寄って来ねえよ。」
怖がられるし。と本当に小さく呟かれたその言葉の真意は分からない。
「なあ渡瀬」
「うん?」
「……やっぱ何でも無ェ」
何かを誤魔化す様に勢いよく豚骨を飲み干す中也君に、一体その身体の何処にそんだけ入るんだろう…と思う。
飲み干したらしい中也君に「手前も早く食えよ」と云われて慌てて食べるのを再開した。
×××××××
その頃の太宰「渡瀬君が拉麺食べてるッッッッッ!!??!?(保存)」
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零 - 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです! (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです! (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか? (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2018年9月28日 16時