01.序章 ページ3
東京サミットの開催予定地として建設中の総合リゾート、「エッジ・オブ・オーシャン」の下見を、今日は公安警察が担当していた。
ネット環境や工事環境は今日と明日にかけて開通する為、私達公安の下見が終わればこの後点検に入る予定だ。
「次はあちらを見てくれ。不審物を見つけたら私か降谷警視に必ず伝えるように。何があるかわからないからな」
降谷に言われた指示を部下に伝え、「了解!」とそれぞれの場所に散らばった部下たちの背中を見送り、私は外での見回りを始めた。
サミットとあって、警察庁は警備に2万2000人もの警察官を投入する厳戒態勢だ。
各国の要人たちが集まり、来たる5/1に控えた東京サミットは、今現在日本で注目の的となっている。
手元に持つスマホを操作しながら、外から国際会議場を見上げた。
会場内の設備等は最新式。
一見穴が無いように思われるが、逆に最新式だからこそ、逆手に取られる場合がある。
(最新式というだけあって、ネット環境に依存した設備も多いな。)
何でもかんでも、大抵のことはネットで出来る時代だ。
最新式というだけあって、やはりその分、ネット環境必須の設備等がこれ見よがしに整っている。
(テロにしても、今の時代じゃ様々な形で存在する。別の視点で調べるのも、怠らない方が良いようだが…)
とは言っても私の一存では決められない。
一度、降谷に連絡をとって、話し合うべきかと連絡先のアイコンをタッチした瞬間。
「………!?」
突如として爆風と熱風。そして、劈く様な爆発音が響き渡る。
爆発の衝撃により割れた窓ガラスの破片が頬と右肩に掠って血が流れた。
「っ、…!」
衝撃とわずかな痛みで吹き飛ばされそうになるが、寸のところで耐える。
燃え盛る国際会議場は見るも無残な姿になっていた。燃え盛る炎を、ぼんやりと眺めていると、スマホが震えていることに気づき、急いでその場を後にする。
走りながら通話ボタンを押せば、それは降谷からの着信だった。
『応答したということは生きてるな!』
「そっちも無事で何より!それよりなんだこれは!!」
『それはこっちも聞きたい!とりあえず落ち合うぞ!!』
落ち合う場所を聞き、急いで走り抜ける。
チリチリとした熱風を浴びて、しばらく肌が痛かった。破片が掠った頬と右肩が痛むが、それどころじゃ無い。
長い長い日になりそうだ───と心の奥底でそう思いながら。
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茶 - 遥さんの作品本当に大好きです!続き楽しみにしています! (2018年7月12日 17時) (レス) id: 5947186a26 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます。原作沿いは話は実を言うとあるんですが、シリーズに区切りのいいところで今現在連載してる続編で完結させようかなと思ってます。 (2018年4月28日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 読ませてもらってます!これを見て、原作沿いでやっても面白いんではないか、と思っているこの頃です。 (2018年4月26日 23時) (レス) id: d835bf4d9c (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - ワカメさん» →なと思ってます( ˘ω˘ ) 日本を守ることしか多分今のところは頭に無いから、本当の恋人とか作る予定は当面なさそうな人だな〜とは思ってますwそんなところも素敵な降谷さん…… ありがとうございます!頑張ります〜! (2018年4月23日 16時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - ワカメさん» コメントありがとうございます!降谷さんにとっては国というものは多分何よりも守るべきものであり、恋人のように愛おしい存在で、「僕の日本から出て行け」みたいな台詞も合わさって考えると、『自分の』守るべきものって感じがひしひしと伝わってくるからカッコいい→ (2018年4月23日 16時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2018年4月21日 21時