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16.Executor and Arbiter 6 ページ18

指定された場所に車を止める。
雨なのもあって結構人気がない場所だが、一体こんなところで降谷は何をしているのだろうか。
傘をさして車の中から出て、とりあえずは降谷を探す事にした。

(…そういえば降谷は傘を持ってるんだろうか)

もしかしたら持ってない可能性を今更思い浮かべて、あと一本傘を持って来るべきだと後悔した。
雨が降り続ける中、歩みを進め続けている中、前方から見覚えのある人影を見つけて、歩みを止める。

……完全に濡れ鼠になってしまっている降谷にため息を吐いた。
やはり傘なんか持ってきてなかったのか。

しかし結構濡れてしまっているため、止めてしまっていた歩みを進める。
びしょ濡れになっている降谷に傘を傾ければ、「思ってたより早かったな」と言うのだ。

「なんで君傘持ってきてなかったんだ。」

「俺も後から持って来るべきだったって気付いたんだよ。」

「……はぁ。降谷、ちょっと持ってて」

傘を降谷に預けて、鞄の中からタオルを取り出す。本当に持ってきておいてよかった。濡れ鼠状態の降谷にはあまり意味はないかもしれないが、無いよりはマシだろう。

「冷えてるな」

「……、……。…」

降谷の頬に手を当てれば、思っていた以上に冷えていた。
このままだと風邪を引くかもしれないから、車に乗ろうと言っても、降谷は動く気配がない。

「降谷?」

途端、肩に冷たい感触がして思わず眉をひそめる。不快ではあったが、それもそのはずだ。拭いたとはいえ、びしょ濡れの降谷が頭を私の肩に預けたのだから。

「濡れるんだけど」

「さむい」

「だから車に乗ろうって」

「人肌がいいって言うだろ」

疲れているのか、本当に寒いのか、この上司様は時々こうやって言う事を聞かない上に横暴な時がある。
基本的に降谷に逆らえない部下の立場なので、それもあってか、それ以上は何も言う気にならなかった。

降谷から香る雨の匂いは思いの外強くて、一体どれくらいの時間外に居たのだろうか。
別にもう、濡れるだとかそういうのはどうでもよかった。人間タオルにでもなった気分だが、本当に寒いのか、微かにさっきから震えている降谷に気付いてしまったのだから。

「……生きている音がするな」

生きてるよ。君に国の為に死ねと命令されるまでは生きるつもりだよ。
そう言えば、「じゃあ一生死ねないな」なんて降谷はか細い声でそう返すのだ。

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- 遥さんの作品本当に大好きです!続き楽しみにしています! (2018年7月12日 17時) (レス) id: 5947186a26 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます。原作沿いは話は実を言うとあるんですが、シリーズに区切りのいいところで今現在連載してる続編で完結させようかなと思ってます。 (2018年4月28日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
- 読ませてもらってます!これを見て、原作沿いでやっても面白いんではないか、と思っているこの頃です。 (2018年4月26日 23時) (レス) id: d835bf4d9c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ワカメさん» →なと思ってます( ˘ω˘ ) 日本を守ることしか多分今のところは頭に無いから、本当の恋人とか作る予定は当面なさそうな人だな〜とは思ってますwそんなところも素敵な降谷さん…… ありがとうございます!頑張ります〜! (2018年4月23日 16時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ワカメさん» コメントありがとうございます!降谷さんにとっては国というものは多分何よりも守るべきものであり、恋人のように愛おしい存在で、「僕の日本から出て行け」みたいな台詞も合わさって考えると、『自分の』守るべきものって感じがひしひしと伝わってくるからカッコいい→ (2018年4月23日 16時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年4月21日 21時

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