【トレイ】一緒に薔薇を塗ってケーキを作ろう【ツイステ】 (ページ4)

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出会いページ4

2年の夏頃。

　その日はたまたま教室に忘れ物をした。

　だがそれが今に繋がる気がする。

　忘れ物を取ってさっさと寮に帰ろうと思った時。

　大食堂のバルコニーに人影が見えた。

　その人影は明らかにおかしい位置にいる。

　手すりの上、すぐにでも飛び降りてしまいそうな位置にいた。

　その時、影は静かに落ちて行く。

　俺はそれを見て慌てて走り出す。

　そして落ちて来た彼を受け止めた。

「っ…！何、やってんだ！！」

「…ああ、トレイ・クローバー、くん…ふふ、ありがとう。まさかいるなんて。」

「そうじゃない！あんな所から飛び降りるなんて何考えてんだお前は！」

「…なんで怒ってるの。話したことないのに。」

　彼の言葉に俺は何も言えなくなる。

　何故彼に怒っているのだろう。

　今まで彼と関わったことは無かったのに。

　彼は俺の反応が分かっていたように笑う。

「飛行魔法だってあるのに助けるなんて優しいなキミは。」

「そんな、誰だって人が落ちたら助けようとするだろ…。」

「…僕はいつまでも死ねない運命なのかなぁ。」

　困ったように笑う彼は、悲しげで今にも消えてしまいそうだった。

　きっと助けた理由は何らかの正義感でも働いたのだろう。