仕返し ページ20
「トレイ!」
「うおっ…A…どうしたんだそんなに慌てて。」
「ケイトからトレイが怪我したって連絡あって…。」
周りの目も気にせず俺を抱き締める。
こんなに焦った姿は初めて見た。
大丈夫だと言って背中を軽く叩く。
「おお、連絡してから秒で来た…。トレイくんガチ勢恐るべし。」
「何があったの?誰かに何かされた?」
「…どうやら、キミとの関係に嫉妬した生徒達に不意打ちを食らったようなんだ。」
「いやぁその話聞いた時は驚いたよ〜。男にもモテるAちゃんヤバいね!」
その話を聞いたAから表情が消える。
これは本気で怒っているようだ。
俺は落ち着けと腕を掴んでベッドに座らせる。
「まあまあ…そう怒るな。」
「だってトレイが怪我したんだよ。どこの寮?名前は?顔は?」
「落ち着け。俺は大丈夫だから。大した怪我じゃないし。な?」
頭を撫でて笑いかけてやると不服そうに目を逸らす。
少し落ち着いて来たようだ。
俺は軽く息をつく。
「だけどトレイ、このままにしておくのかい?」
「Aちゃんもこんなに怒ってるしね。何か考えてるんでしょ?」
「当たり前だろ?"合法的なやり方"で仕返しするんだよ。」
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作者名:柳雪 | 作成日時:2020年6月7日 11時