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我儘 ページ12
「ん…あ…？あぁ…そうか、俺は…。」
自室のベッドで目を覚まして、身体中が痛い事で何があったのか思い出す。
Aがオーバーブロットして助け出してからどのくらいの時が過ぎたのだろうか。
俺は深い溜息をついた。
ふと右側を見るとベッドに突っ伏して眠るAがいる事に気が付く。
「…おいおいこんな所で寝てたら風邪引くだろ？」
「んぅ…トレイ…？トレイ…！！良かった、本当に、ごめんなさい…っ！」
「ははっ、今日はよく泣くな。いいんだよ。お前が助かったならさ。」
またボロボロと涙を零す彼女の頬に触れる。
温かい彼女の体温で彼女がいると言う実感を得た。
涙が溢れそうになる。
「ごめん…本当に…ごめん…。」
「…そんなに謝るくらいなら俺の頼み聞いてくれるか？」
「出来る範囲でなら…。」
「一緒に寝てくれ。それくらいしてくれるだろ？」
手を掴み引き寄せると彼女は頬を染める。
涙はいつの間にか止まっていた。
戸惑う彼女に断れない言葉をかける。
「俺に怪我させたの、誰だっけ？」
「わ、かった…。」
「いい子だ。ほら来いよ。」
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作者名：柳雪 | 作成日時：2020年6月7日 11時
