キスしてみた【S】 ページ3
「しにちゃんお皿取ってー」
「はーい！わざわざすみませんホントに……」
「ううん、大丈夫〜。とらちゃんの代打で元々来る予定だったし、料理は好きだから」
とらちゃんが急な予定でしにちゃんの引越し準備に来れないと言うため私が代わりに来ていた。
しにちゃんは基本ひとりで何も出ないため何故か私ととらちゃんが面倒見ている。
私は別に彼女であるから問題は無いけど、とらちゃんにまで迷惑かけているのはどうかと思う。
「うわぁ……！めっちゃ美味しそう！やっぱりAさんって料理上手ですよね！」
「ふふっ、ありがとう。食べ終わったら少しゲームしよっか」
「お、いいですねー！スマブラでもします？」
そんな話をしながらご飯の準備をして食べ始める。そして食べ終わり、引越しの準備の前に少しだけゲームをする。
しにちゃんがゲーム下手なのは知っているのだが約10分程やっていて私にずっと負けている。
「……この試合負けたら罰ゲームね」
「えっ、ちょっ、そんなの聞いてな、あっ！！」
「ねぇ、ホントに下手……」
「い、いやいや、ここから大逆転とか有り得ますから」
そんなわかりやすいフラグを建て、数分後。しにちゃんはコントローラーを投げ出し、頭を抱えてうずくまっていた。
「なんで僕はこんなにゲームが下手なの……」
「さて、罰ゲームはどうしようかなぁ」
「もう慣れっこですよ罰ゲームなんて……」
少々不貞腐れているしにちゃんが面白くて笑っていると「さっさと言ってくださいよー！」と怒られてしまった。
私はそんな怒らないでよと笑って彼にキスを落とした。
「へ……？」
「罰ゲームは引越し準備を頑張ること。ちゅーしたんだから頑張れるよね？」
「は……はひ……が、頑張りまひゅ……」
しにちゃんは顔を赤くしてぴゅーっとリビングを出て行ってしまう。それが面白可愛くて笑いながらゲームの片付けをした。
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作者名：やなぎゆき | 作成日時：2019年10月4日 0時
