38話 ページ39
翌日のラボの四階オフィス
三澄「おはようございます」
かりん糖を各デスクに配っていた
神倉が三澄に気付き挨拶を返す
神倉「おはよう
事故現場見つかったんだって?」
三澄「はい、それに加えて社長を相手取って
従業員全員で裁判を起こす事になりました
未払いの残業代の請求とあと労働環境改善」
神倉「そう」
三澄「母が徹底的にとっちめてやると」
神倉「とっちめられたいな〜」
三澄「何言ってるんですか?」
神倉「今日、午後出で良かったのに」
三澄「はいだから来たんです誰も来ないので」
彼女の言葉に心底不思議そうな顔をする神倉
だったが次の言葉で話の意図を理解した
三澄「中堂さん居ますか?」
後ろを振り向き
所長室に目を向ける三澄に神倉が続ける
神倉「ああ昨夜は珍しく帰ったみたい
あの人、四六時中居るからね
所長室使うのは良いんだけど物が増えちゃってさ」
三澄「中堂さんは誰を殺したんですか?」
その一言で扉を開けようとしていた
神倉の動きが止まる
三澄「殺していないとしたら
なぜ疑われて逮捕までされたんですか?
証拠不十分で釈放された中堂さんを日彰医大は
解雇したその経歴を神倉さんは知らない筈がない
中堂さんと真嶋は昨夜所沢の葬儀場まで行って
葬儀の前のご遺体を検案していました」
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棺の蓋が開けられ
真嶋と中堂はご遺体の口の中を入念に調べる
勿論、物陰からこちらの様子を
伺う三澄に気付く者は誰一人として居なかった
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三澄「ご遺族に無断だったと思います
葬儀屋にお金を渡して」
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真嶋と中堂は各々の財布から
一万円札を取り出すと木林に渡す
木林「ご協力ありがとうございます」
その後二人はご遺体に
両手を合わせ葬儀場を後にした
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作者名:はな | 作成日時:2018年2月21日 15時