32話 ページ33
バイクに乗り蜂蜜ケーキを届ける佐野
空では花火が上がる音が鳴る
マンションに着き社長にケーキを届ける
祐斗「お待たせしました」
社長「遅いよもう!ほら来たよ〜」
礼の一つもなしに閉められる扉
祐斗「よし!帰ろう」
正に今も寝る間を惜しんで働いてる
工場の人達が居るのに対し社長は
テラスでパーティーをしている
社長「ハイ注目!話題の蜂蜜ケーキ来たよ〜
はいはい、はいはい〜はいた〜まや〜!」
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愛する家族が待つ家へ急いで向かう佐野
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その家族も窓から花火を眺めていた
可奈子「わあ〜!わ〜綺麗」
祐「すごい」
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パーティーをする社長の家
男「フォーフォーフォーフォー!」
テーブルに無残に置かれた食べかけのケーキ
彼らはこの蜂蜜ケーキの味を覚えてはいないだろう
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バイクで家路を急ぐ佐野は
眠気からバランスを崩し転倒した
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佐野の転倒と時を同じくして
テーブルの上のケーキがぶつかった
衝撃で床へ落ちて行く
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バイクから投げ出され首を打った彼は
待っている一番大切な人に会うために立ち上がった
佐野「痛っ!」
彼の首の皮を繋いだ物があるとするのなら
きっとそれは家族への愛だろう
そんな佐野の頭上を始め誰の空にも平等に
綺麗な花火が咲き誇り儚く散って行った
佐野「帰らなきゃ」
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作者名:はな | 作成日時:2018年2月21日 15時