檸檬のカオリ、私のヒカリ４ (ページ4)

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３話ページ4

日が傾き案内が次々に剥がされて行く頃

職員「ありがとうございます」

見学会は終了し客達は皆帰って行った
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四階オフィスには所長と三澄親子の姿が

神倉「弁護士さん」

夏代「離婚問題や労働問題を主に扱っています
あっこれどうぞ皆さんで」

そう言うと黄色い紙袋を手渡した

神倉「あっ！“しあわせの蜂蜜ケーキ”今話題の」

それぞれ荷台を押す真嶋と東海林
筒状の段ボールを抱える久部の三人が
オフィスに戻って来た

紙袋を見るなり歓声を上げ喜びを露わにする
東海林を見て真嶋は素直に可愛らしいと思った

夏代「ご存知でした？」

神倉「すぐそこに
店舗が出来たけど行列で買えなくて」

久部「へえ～」

東海林「社長がイケメンなんだよね」

ミコト「何で知ってんの？」

東海林「え～！よくテレビ出てんじゃん
通販サイトやってて蜂蜜ケーキは
そのサイトか直営店でしか買えないの」

ミコトに説明する東海林そっちのけで
夏代の視線は出先から戻った中堂を捉えていた
更には娘の腕を引っ張り事実確認を始める

夏代「あっもしかしてもう一人の解剖医って」

ミコト
「一人じゃなくて二人だって…って中堂さん？」

彼の後を追う夏代を追い掛けるミコト実に賑やかだ

夏代「はじめまして」

ミコト「挨拶とかいいから」

夏代「ミコトの母です」

そう言いながら彼女が差し出した名刺を
渋々受け取り不思議そうな表情を浮かべる中堂

ミコト「すいません」

彼に申し訳なさそうにそう言うと

怒った口調と共に今度は
ミコトが夏代の腕を引っ張った

ミコト「いいから！」

夏代「ちょっと～素敵じゃないのよ独身？」

ミコト「まあバツイチとは言ってたけど」

夏代「あ～バツイチか…まあいいわこの際」

ミコト「ねえ何しに来たの？」