１８話 ページ19
ラボの建物の外には柱に凭れて
週刊誌を読み耽る久部の姿があった
読んでいたのはしずく事件の裁判の記事
自動ドアから出てきたのは今から帰る真嶋と三澄
三澄「あれ？お疲れ様」
真嶋「まだ居たの？寒かったでしょ」
久部「お疲れ様です」
そう言うとすぐに週刊誌をリュックに詰め
二つのヘルメットを手に取った
久部「真嶋さん家まで送ります」
真嶋「えっ？」
久部「危ないんで脅迫文」
真嶋「ああ〜」
久部「ああ〜…他人事みたいに」
真嶋「私車だから大丈夫だよ
でも折角だしミコト送ってってあげて」
綺麗なウィンクと共に
それだけ言うと真嶋は颯爽と帰って行った
久部「三澄さん送ります、送らせてください」
ヘルメットを差し出しながら
近付いてくる久部は確かに弟みたいで可愛かった
三澄「何か秋ちゃんみた〜い」
久部「秋ちゃん？」
三澄「じゃあ送ってもらおうかな」
返事と共に久部の差し出す
ヘルメットを受け取ると二人は歩き出した
久部「はい」
三澄「じゃあついでに家でご飯食べてく？」
久部「あれ？
三澄さんって一人暮らしですよね？」
三澄「そうだよ」
急に黙り込む久部の反応に何かを閃いた三澄
三澄「あっごめんこれセクハラか」
久部「えっ？」
三澄「ごめん、ごめんごめんごめん
忘れて 忘れて あビックリした〜
うわ〜自分に引く〜うわ〜」
どこでセクハラだと思ったのだとでも
言いたげな表情でただ三澄を見る久部
流石にこの一件は密かに三澄と久部を
くっつけようと目論む真嶋にも
予想の出来なかった事態だろう
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作者名：はな | 作成日時：2018年2月21日 15時
