１３話 ページ14
話し合いもお開きになり空も真っ黒になった頃
夏代「まあ、いずれにしても
過労と残業代の未払いの事実はあった
証拠集めて会社に認めさせましょう」
夜道を歩いているのは百合奈を抱える可奈子と
その横で話をする夏代、ベビーカーを
押すミコトに祐の横を歩く久部の六人だ
可奈子「もういいです」
夏代「可奈子さん」
可奈子「悲しむ暇もない」
夏代「今引き下がったら後悔しますよ
工場内で証言してくれる人が
居ないか探してみますから」
前を歩いていた三人が
後から聞こえてくる声に振り返る
祐「そんなの意味ないよ
アイツら本当の事何てどうだって良いんだ
あった事も全部なかった事にされる
お父さん言ってた“工場が大変な時だから
無理してでも頑張るんだって”それなのにさ
お父さん…馬鹿みたいだ」
そう言うと一人足速に去っていってしまう
可奈子「祐…」
そんな小さな背中を
大人達は黙って見ている事しか出来なかった
───────────────────────
久部の通う大学の講義室の一番後ろの席で
男三人が語り合っていた
久部「何の為に働くんだろうな〜」
医学部生A「無事に卒業して医者になれたと
しても医療事故で訴えられたら詰むしな」
久部「未来なんてねえよな〜」
医学部生B「愚痴りに来たの？」
久部「休学の延長届け」
医学部生A「もう辞めれば？」
久部「親がうるさいんだよ
医者以外人間じゃないと思ってるから」
医学部生A「あっ！あれどうなったの？
お前が書いてたブログ」
医学部生B「ニセ医学を斬る！」
久部「あのブログのお陰で色々あってさ
今二箇所でバイト掛け持ちしてる」
医学部生A「お前今、何目指してんの？」
久部「何目指してんだろ…」
彼は核心を突かれ力なく呟いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はな | 作成日時：2018年2月21日 15時
