檸檬のカオリ、私のヒカリ１

９話 ページ10

神倉「ご遺体は、高野島渡さん 男性35歳。
死因を究明して欲しいというご両親からの
依頼解剖です。高野島さんは一人暮らしの部屋で
倒れたまま亡くなっている所を発見されました」

高野島さん発見の経緯が明らかになって来た
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路子「渡 いるの？ 渡」
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神倉「見つけたのは
連絡が取れないことを不審に思いやって来た恋人
外傷はなく、争った形跡もなく
室内に不審な点はありませんでした
その場で簡易検査を行い事件性なしと判断
虚血性心疾患と決定されました」

久部「解剖しないで分かるんですか？」

三澄「大体そんな所だろうって」

久部「大体？」

神倉「このご遺体の場合、場所が悪い
発見現場が富影市
解剖できる医大から40kmも離れてるもん」

久部「それがどう…」

真嶋「大変でしょ運ぶの」

久部「そんな理由？」

東海林「近くに医大があっても
所轄との仲が悪くて頼めないとか」

久部「そんな理由！？」

神倉「大小様々な要因が掛け合わさって
解剖率には恐ろしい程の地域格差生まれてんのよ」

真嶋「東京23区は比較的高くて解剖率17%」

三澄「解剖率最低地域は2%以下」

木林「うっかり死ぬ時は
場所を選ばないといけませんね」

神倉「うっかりじゃ選べないでしょ」

爆笑する東海林と坂本

亡くなった人を目の前にして
笑っていられる人達を見て
有り得ないとでも言いたげな表情をする久部

木林「ついうっかり」

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