檸檬のカオリ、私のヒカリ１

３１話 ページ32

東央医大の前では中継が行われていた

リポーター「ここ東央医科大学病院で男性Aと
同日に検査を受けた患者は外来と入院を合わせて
48名にのぼり更に病院関係者を含めた8名の
MERS感染が確認され感染者は…」
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東央医大の院長室でとある会話が行われていた

神倉「いや〜災難でしたね
感染した患者さんの容体は？」

駕籠「陰圧制御のできる
病室で隔離治療に当たらせています
すぐに対処すれば恐ろしい病気ではありません
亡くなられたお二人も
早く感染に気づいてれば助かったのに」

神倉「風邪で死ぬとは思いませんからね」

駕籠「神倉さんが厚労省お辞めになった
時は驚きましたがUDIラボご活躍じゃないですか」

神倉「いやいやいや、いつ補助金
切られるか冷や冷やしてますよ
ああ、これつまらない物ですけど」

神倉は紙袋を机の上に載せた

駕籠「ああ、ありがとう」

神倉「あの〜駕籠院長の方からも
今回のUDIラボの働きについて厚労省の
医政局に報告書あげて頂けると…」

駕籠「はい、喜んで協力しますよ」

神倉「ありがとうございます」
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中堂と木林は
何やらひっそりと会っている様子

木林「今回の騒ぎでUDIラボへの依頼
増えるんじゃないですか？」

中堂「どうだかな」

木林「今より忙しくなると
課外活動に差し支えますね」

中堂「遺体が集まるという点では良い」

書類に何やら書き込みをし
ペンを挟んでファイルと一緒に手渡した

木林「今月は出ませんでした『赤い金魚』」

立ち去ろうとする木林の背中に

中堂「引き続き頼む」

そう言うと中堂は木林に札束を握らせた

木林「遺体が集まると言えば、東央医大
このところ多いみたいですよ…死人が」

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