檸檬のカオリ、私のヒカリ１

１５話 ページ16

ミコトは彼氏との待ち合わせ
場所まで走って向かっていた

着いた建物の中で待つ男、関谷聡史は
窓際の席で待ち草臥れたのか眠っていた

店に入る

関谷「どう新しい職場？」

三澄「新しいってもう四ヶ月」

関谷「そんなんなるか」

三澄「大学に比べて凄く自由
元内閣府のプロジェクトだけど今や
民間みたいなもんだから」

関谷「ミコト向きだな」

三澄「まあ相変わらず
7Kだけどね、キツい・汚い・危険に臭い」

聡史と呼ばれる男は
ミコトの頭に手を掛けて引き寄せる

関谷「いい匂い」

三澄「洗って来たもん」

関谷「でも出る頃には煙の臭い」

三澄「聡史もヤキトン好きでしょ？」

関谷「ミコトが好きだから俺も好きになったんだ」

三澄「ウソだね、聡史が最初にこの店選んだ」

関谷「えっ、そうだっけ？」

三澄「そうだよ…二年前の、夏？」

関谷「そんなんなるか」

三澄「そんなになるね」

テレビから流れる
サッカー中継に盛り上がる店内
『イェーイ！』という賑やかな声が飛び交う

関谷「あの話、考えてくれた？」

ミコトは複雑な表情を浮かべ黙ってしまった
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一方、こちらはデートと称して
ある人の元へ急ぐ真嶋の姿
相手はフォレスト葬儀社の社員の木林南雲

真嶋「すいません遅くなりました」

南雲「いえ、構いませんよ」

真嶋「これ溜まってた半年分です」

そう言って金の入った封筒を木林に手渡した

真嶋「今後も引き続きお願いします
こちらも情報が入り次第お知らせするので」

南雲「かしこまりました」

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