檸檬のカオリ、私のヒカリ１

１４話 ページ15

とある居酒屋

久部の隣には、飲み仲間でUDIラボに
彼を送り込んだ張本人でもある
『週刊ジャーナル』の編集者の末次康介がいた

久部「人が死んで母親が泣いてんの
目の当たりにしたのに帰りにはもう
笑ってんですよ…解剖医なんて
所詮人を人とも思ってないんですよ」

末次「やってけそうでよかったじゃない」

久部「聞いてましたか？」

末次「とりあえず 第一段階合格？」

二人組の女性客が来店し何やら話を始める

女性客A「だよね」

女性客B「何かさ臭うよね？」

女性客A「だよね」

女性客B「どこから？」

女性達の話を聞き自分の匂いを確認する久部

末次「なあなあ」

久部「近づかない方が」

末次「そのさ、女の解剖医って
二人居るんだろ？どう、かわいい？」

久部「まあ」

末次「何だよ好みかよ、胸デカイ？」

久部「知りませんよ」

末次「いくつ？」

久部は胸の形を表す仕草を
しながら末次の質問へ返答する

久部「二つ？」

末次「バカ野郎
俺聞いてんの年だからね、年齢」

久部「分かってますよ
真嶋さんと三澄さんって何歳なんだろう？」

末次「まし？みす？」

久部「『マシマ』は真(しん)に嶋(しま)で
『ミスミ』は三つ(みっ)に澄(す)みですね」

末次「二人も揃って早口言葉みたいな名前だな」

末次「マシママコト マシママコト マシママコト…」

久部「ミスミミコト ミスミミコト ミスミミコト…」

末次「言えてねえじゃねえか、お前だって」

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