檸檬のカオリ、私のヒカリ１

１話 ページ2

羽田空港に一機の飛行機が着陸する

女は飛行機を降りると
大きなキャリーケースを
引きながら急いでタクシーを拾った

女「西武蔵野市の不自然死究明研究所まで」

タクシーは目的地を目指し走り始めた
暫くすると比較的新しい立派な建物に着く

女「帰国早々￥13,000って…」

ぶつぶつ文句を言いながら扉を開けた
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女の目的地でもあった
不自然死究明研究所の女子ロッカールームでは

三澄「名前？」

東海林「問題は名前、例えば花粉症。
今や国民病とまで言われているけど
花粉症という名前が付くまで誰も知らなかった
化学物質過敏症だってそう
名前が付いて初めて認められた」

三澄「それで？」

話を聞きながら黙々と天丼を食べている三澄

東海林「今ここに新しい
名前を提案します“異性間交流会”」

三澄「いせ？」

東海林「男女の異性、異性間交流会
見知らぬ男女が集い食事をして
会話を交わし交流をはかる」

三澄「なんだ、合コンのことね」

東海林「異性間交流会！
合コンって言葉のイメージが
チャラチャラしてて嫌いなの」

三澄「むしろ卑猥に聞こえる(笑)」

東海林「時には卑猥もアリ」

三澄「朝の9時から何言ってるの？」

東海林「朝の9時から天丼
食べてる人に言われたくない」

三澄「朝だから食べるんでしょ一日の始まりに…」

東海林「Let's 異性間交流〜」

三澄「はい、ご馳走様でした」

東海林「行こうよ」

三澄「行きません」

東海林「行きましょうよ」

三澄「他の人誘いなよマコトとか」

東海林「私もそう思ったんだけど
マコトは半年前から音信不通だしさ…
だからミコトに来て欲しいの！」

三澄「何で？」

東海林「ウチらって
男にドン引きされる職業でしょ？」

三澄「引かれるね〜7Kだし」

東海林「二人ならドン引かれ具合が分散される」

三澄「密度がまして倍引かれる」

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