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お「んもぉー!弟者くんったら!!ほんと何やってんの?!」
兄「ったく、心配かけさせんじゃねえよバカ弟者」
弟者さんの元へおついちさんが駆け寄り、その後ろを呆れた顔で、でも少し嬉しそうに兄者さんがついていく。
弟「ごめんね兄者、おついちさん。…あれ?ここどこ?」
メ「俺ん家だバカ。俺の妹が雨の中血だらけでぶっ倒れてるお前見つけなかったら今頃死んでたかんな?治療も輸血もこいつのおかけだ。感謝しろよ?」
兄がそう言うと、弟者さんが兄と私、そしてすっかり空になった輸血パックを見てもう一度兄と私を見た。
弟「メロさんに似てないね」
弟者さんのその一言におついちさんと兄者さんが吹き出す。
メ「その傷えぐってやろうか?」
兄がキレかけているのも気にせず、弟者さんは私の方見る。
弟「俺を助けてくれてありがとう!えっと、」
「Aです。助けられて良かったです、弟者さん」
弟「Aちゃん…ありがとうAちゃん!」
少しいかつい見た目と違って大型犬のような笑顔をみせる弟者さんに思わず惹き込まれてしまう。
また私をじーっと見つめた弟者さんがニコニコしながら口を開く。
弟「…ねぇAちゃん。俺のお嫁さんにならない?」
「「「「…はい?」」」」
弟者さんを除いた全員が驚いて固まってしまった。
しばらく誰も何も言わなかったが、兄がその静寂を破った。
メ「はァァァ?弟者お前何言ってんだ!」
お「そうだよ弟者くん!しかも初対面の子に!!」
兄「突然にも程があるだろうが…いや、こいつはいつも突然バカ言い出すか」
私は未だ理解ができていなかった。
…え、お嫁さん?私が?弟者さんの?
弟「ダメ…かな?俺、Aちゃんに一目惚れしちゃった!こんなに他人の血に抵抗なかったのも初めてだし」
弟者さんのキラキラした大型犬のような目に、私はノーと言えなかった。
私自身、初対面の弟者さんに惹き込まれてしまっていたのだ。
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作者名:shirö | 作成日時:2018年7月9日 23時